自転車日本一周を終えて

日本一周

こんにちは!ともやです!

今回の記事では、自転車日本一周の旅を終えて私が感じたことを詳しくお伝えします。今さら過ぎますが(笑)旅を通して得られることは本当に多いです。これから旅人になる方、自転車旅をしてみたい方はぜひご覧ください^^

この記事を書いた人
tomoya

元小学校の先生が30代から
自転車日本一周の旅へ
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旅を終えて感じたこと

まずはゴールした瞬間に思ったことから。

あぁ、終わった。

最初に出てきた言葉はずばりこれです。直後はあまり実感はなかったですが「もう明日からこがなくていいのか」と徐々に旅の終わりを感じられるようになりました。今までコツコツ何かを続けられたことがなかった私にとって、人生で初めて大きな挑戦をやり遂げられました。家族に迎えられたゴールの瞬間は一生忘れることはないでしょう。

旅人としての日常はとてもおもしろかったです。朝起きた時には今日一日の行程について考えます。「今日はこの辺りまで行けそうやな」「どんな人に会えるかな」など。ある程度イメージを持って出発するわけですが、夜寝るとき今日の旅を振り返ると全く違ったものになっていることが多くありました。そんな刺激的な日々とはお別れ。少し寂しい気もしました。

自転車日本一周の荷物に貼ったステッカー

日本一周後はおてつたびで再び全国を回ったり、オーストラリアへワーホリに行ったりしました。旅をゆっくり振り返る時間もなくあわただしい毎日が続きましたが、旅に出る前と比べて明らかに自分の世界が広がった感覚がありました。多くの価値観や生き方と出会い、自分の潜在的な能力を知り、今後の人生の選択肢が増えた気がします。

日常への感謝

旅を通して一番強くなったのは日常への感謝の気持ちです。過酷な旅を終えてからは日常のすべてのことにありがたみを感じます。体の健康、家族が作ってくれるおいしいご飯、自然の美しさ、日々の何気ない出会い。野宿していた身からすると布団や家の壁、屋根でさえありがたみを感じます(笑)幸せを感じるハードルがぐっと下がった感じ。今まで日常の中にある小さな幸せに気づかず生きていたなと思いました。

旅を終えてからは、日常で感じた素直な気持ちを言葉で表現することが増えました。

おいしい!

うれしい!

ありがとう!

ごめん!

思ったことを伝えるだけですが、これがなかなかできていなかった。歳を重ねるほど恥ずかしくなってこういう小さなコミュニケーションが減っていくんですよね。私の場合思っていることのほとんどは言葉で表現せずに終わっていました。つまりほとんどが相手に伝わっていなかったということです。

アンテナをはって日常を過ごしてみると、人のいいところも見つけやすくなってきました。悪いところや失敗は目立つので見つけやすいです。しかし、いいところは意識しないと見逃すことがあります。見つけたことをさらに言葉にして伝えると相手は嬉しいですよね。「言葉で伝える→相手がうれしくなる→自分も見てもらえる」のような感じでいい循環ができてきました。少しずつですが。

旅ができるって幸せ!

そもそもこうして自由に旅ができるということ自体が幸せなことだと感じました。旅の障壁になるものはいろいろあるかと思いますが、まずは身の回りの人が元気でいてくれることが大事だと思いました。家族には心配をかけましたが、家族が元気でいてくれたおかげで旅に出ることができました。

鳥取の喫茶店旅人の前に止めた日本一周の自転車

旅をするタイミングは人それぞれかと思います。1年後に出発すると決めて入念に準備をする方や先のことは考えずにすぐに出るという方。考えた末に出ない方もいるでしょう。私の場合、自転車旅のことを考え始めたのは学生の時です。つまり10年近くも実行せずにいたことになります。

人は「いつか…」と思い続けて気づけば年をとっているものですね。来年旅行に行こうと思っていたらコロナウイルスが蔓延したり、一人旅に出ようと思っていたら身の回りの人の世話が必要になったり。旅ができるタイミングというものは意外と少ないものです。自分の気持ちにも旬があります。興味があって、物理的に可能なことはすぐにやった方がいい。そう思うようになりました。

旅人って意外と多い!

私が今回の旅を始めた頃はコロナ禍がようやく落ち着いてきたときでした。自分と同じような旅人はあまりいないだろうと出発しましたが、いざSNSアカウントを作って見てみるとびっくり(笑)日本一周でヒットするアカウントがたくさんあり、全国に多くの旅仲間がいることがわかりました。

旅中そうした仲間と連絡を取り合ったり、偶然道で出会ったりすることがありました。日本一周の手段はさまざまで、バイクや車の他にリヤカーやキックボード、時間をかけて徒歩で回る猛者もいました。私が実際に出会った中で一番驚いた手段は人力車です。自転車に比べて幅も重量もある人力車で回るのは本当に大変。荷物を載せて颯爽と進んでいく姿はとてもかっこよかったです。

セブンイレブンに集まる日本一周の旅人
新潟の親不知近くのコンビニに集まる旅人

一人旅や夫婦旅、ペットと一緒になど誰と旅をするのかもさまざまです。現地で出会った旅人と一緒に回る人もいます。今はSNSの発達により、たとえ一人旅でもすぐに楽しみが共有できます。旅人のネットワークはすごくて、現地で初めて出会った人でも誰かのアカウントとつながっていたり、コアな旅情報が回ってきたりしておもしろいです。

もちろん旅をする理由もさまざま。全国各地の絶景や食べ物を求めて、就職前に視野を広げたい、○○さんに憧れて、妻と離婚してなど本当にいろいろです。旅人との出会いはいつも刺激的で、生き方の参考になります。

旅人応援の方にいただいた差し入れ
旅人応援の方にいただいた差し入れ

そして、そんな旅人たちを応援する人もいるのがまたおもしろい。四国だったらこの人、仙台だったらこの人という感じで全国におられます。SNS上で連絡を取り合い、ご厚意で差し入れを頂いたり泊めていただいたりすることがありました。旅に出てみて「こんな世界があったのか」と驚きました。

自分は今どこにいるのか?

ポジティブな気づきが多い一方、旅中は自分自身の社会的立場について悩むこともありました。公園で目覚めて水道で顔を洗い、朝ごはんを食べて自転車にまたがる。誰に支持されるわけでもなく、決まったルートがあるわけでもなく、自由に目的地まで走っていく。悪い意味でもいい意味でも自己責任で生きていく感じ。社会の中で考えると自分はどこで生きているのか…。

旅を通してたくさん学んだ後でも、人と比べてしまったり固定観念にとらわれたりして悩みはつきません。ただ最近はこれはもう性格上の問題として割り切れるようになってきました。結局どんな挑戦をして達成できたとしても考えてしまう生き物なのです(笑)必要なのはリフレーミング。ネガティブな見方からポジティブな見方への変換です。たいていの物事は見方1つでポジティブに考えられるというのも旅を通して学んだことです。

話を聞くとは?

私の旅のテーマは ‟ おはなしきくたび ”でした。最初の四国編で思いついたテーマです。特技が何もない私にとって誰かのためにできることと言ったら話を聞くことくらい。軽い気持ちで設定しましたが、看板をつけて全国を回ってみると「話を聞いてほしい人」が大勢いることがわかりました。

人によって話す内容はさまざま。趣味の話や仕事の話、恋愛や学校生活の話、若いころの自慢話など。野宿していた公園で出会う高齢の方からは過去の病気や旅行の思い出話をよく聞きました。基本的に時間が許す限り相手の話を最後まで聞きました。「話を聞く」って意外と難しい。ただ話を耳に入れているだけでは、相手は気持ちよく話してくれません。聞くときの姿勢、うなづき、反応が大切ですが、それは相手によっても変わります。今回の日本一周旅でいい話の聞き方が少しわかってきました。

関門橋と自転車

私が話を聞くときに意識していたことは二つ。まず一つ目は相手を話の主人公にすることです。相手の話なんだから、相手が主人公なのは当たり前だと感じるかもしれません。ただ、これを意識していないと知らない間に話を遮ってしまったり、「自分は…」と話を取ってしまったりすることがあります。

二つ目は相手のこだわりを探ることです。こだわりというのは強弱はあれど、誰しも持っているものです。少し話を聞いてみて何度も出てくる言葉はないか、特に感情がこもっている箇所はどこかを見極めます。たくさん聞いてみて結局わからない時ももちろんありますが、それがわかると話を広げやすいですしより距離が縮まります。

話を聞いた後には嬉しい言葉を返してくれる方がいました。

聞いてくれてありがとう!

話を聞くのが上手ですね!

そしてこんな方も

いつもはあんまり話さないけど、今日は話しちゃった(笑)

素直に嬉しかったです。話を聞くだけでこんなにも人の役に立てる。改めてこのテーマで旅をしてよかったと思いました。

日本一周のTシャツを着た旅人

旅中いろんな方の話を聞いてみて、「あ、今関係ができたかも!」と感じる瞬間がありました。最初に感じたのは青森で参加した自然学校でのボランティア体験でした。複数人のメンバーと約1週間ともに過ごし、自然体験活動に参加する子どもたちをサポートします。

最終日、活動を終えてメンバーの一人の方のお宅に泊めさせてもらう機会がありました。夜部屋で話していると、会話がだんだんプライベートな内容に移っていきました。じっくり話を聞いていると、メンバーの一人が泣きながら自分の弱みについて語ってくれました。最初からフレンドリーにかかわってくれたメンバーですが、心の奥にある気持ちを聞けたのはこの時が初めてで私は嬉しかったです。

青森の自然学校の集合写真

他にもおてつたびで出会ったメンバーの深い話が最終日あたりに聞けることがありました。人と信頼関係を作る上では先ほどの「話を聞くときの意識」と合わせて、何か共同作業を一定の期間行うことが重要だと思いました。一緒に汗を流した仲間だからこそ話せることってありますよね。このことに気づけてから人と何か共同で取り組むことに楽しさを感じるようになりました。大学時代までどちらかというと人とのかかわりを避けていた自分にとっては革命的なことです。

「旅」とは

旅と旅行の違いは?

難しい問いですよね(笑)結論から言えば移動を伴うのが旅行、必ずしも移動を伴う必要はなく自らの「心の持ちよう」を鍛えるのが旅です。後半は私が考える「旅」とは何か書いていきたいと思います。

自然の美しさに触れること

「自然の美しさ」と聞いて皆さんはどんなイメージを持ちますか?大きな川や山、滝が流れる場面、サバンナや森の中を動物が動き回る様子などいろいろあるかと思います。旅中は日本の美しい自然にたくさん触れることができました。北海道で見た満天の星空、静岡のキャンプ場で見た富士山、奄美群島の手つかずの自然。日本でもこんなに美しい自然の景色が見られるのかと改めて驚きました。

北陸の海沿いで見た夕日

私が特に印象に残っているのは日本各地で見た朝日や夕日です。辺りがゆっくり明るくなって徐々に昇る朝日を見たとき、キラキラ輝いて地平線に沈む夕日を見たときは心から感動しました。これだけでも旅に出た価値があったなと思うくらいです。毎日繰り返していることですが日々の忙しさの中ではなかなか意識できなかったり、都会ではそもそも見られなかったりします。

美しいものを見た後に心が落ち着く感覚を何度も味わいました。今では写真や動画でいくらでも見ることができますが、温度感や匂い、視界いっぱいに広がる光景は現地でしか味わえません。心と体で同時に感じたことは記憶にも残りやすいです。

世の中がどう回っているかを知ること

岩手のホテルで短期のアルバイトをした際は、経験豊富なおばちゃんたちが親切に教えてくれました。部屋の清掃業務でしたが部屋数は1000室以上あり、グループで階ごとに回っていきます。チェックアウト後から次のお客様のチェックインまでに終わらせる必要があり、かなり忙しかったです。

なるほど、裏ではこんなに忙しく働いている方が…。

熊本でおてつたびに参加した際には、ベトナム人の同僚と出会いました。アジア系の外国人が日本で働くというと技能実習生をイメージしますが、彼らは実習生ではなく現地の大学を主席クラスで卒業し、日本で農業を教える立場にある方々でした。

農業分野でも、こんなに外国人が活躍してくれているとは…。

旅中は普段とは違う生活リズムや環境で動くのでいろんな方に出会います。新潟の海沿いで野宿をした際は、夜中にたくさんの光る漁船を見かけました。他にも深夜に道路工事をする方や繁華街の掃除をする方など。私は主に昼間に働く仕事をしていたので、自分とは真逆のリズムで働く人々の姿には特に興味がわきました。

雪の中関が原を走るトラック

そんな中でも強く印象に残っているのはトラック運転手の方です。四国で夜中に山道を走った時がありました。当然車通りは少ないわけですがゼロではありません。北陸を早朝に走った時もライトをつけた軽トラックや大型トラックが横を通り過ぎていきました。日本の物流を支える人たちです。

仕事で走っている方からすれば、道路の端をだらだらこいでいる私はきっと邪魔だったでしょう。しかしいつも私の横を大きく回って通過してくれたり、「がんばってー!」と声をかけてくれたりしました。こうした方々のおかげで安心して旅ができ便利な生活が送れるのだと感じました。

奇跡的な出会いの数々

多くの出会いの中でも「奇跡やな」と思うような出会いがいくつかありました。岩手の山中でタイヤが破裂した時にたまたま通ったのが車で日本一周中の方だったり、広島で自転車のフォークが折れた時は自転車店で対応してくれた方が日本一周経験者だったり。他にも、違う場所で偶然4度も会ったチャリダーや新聞記事になるくらい私との出会いに感動された方など、奇跡的なタイミングで出会えた方が多くいます。

この「タイミング」というものにはいつも驚かされました。私が朝寝坊していたら、あそこで休まなかったら、雨が降っていなかったら。もっと言えばあの日旅に出ていなかったら…先ほどの出会いはすべてなかったわけです。自転車旅を学生時代に実行しなかったことを後悔した日もありました。しかし、この歳であのタイミングで出たからこそ学べることや特別な出会いがあったと思うようになりました。

日本一周中にいただいたメッセージが書かれたTシャツ
各地でTシャツにいただいたメッセージ

再会の嬉しさも感じました。私の旅で出会う方は比較的年配の方が多いのでお互い元気に再会できることがとても嬉しかったです。「会える人には会う!」というのを強く意識するようになりました。一番のきっかけは九州でのエピソードです。

沖縄から九州に戻り山陰へ進もうと考えていた時、大分でお世話になったおじいちゃんの体調が悪くなりました。日程的に厳しかったもののなんとか大分へ行き再会しました。そのおじいちゃんはゴールして2週間後に亡くなってしまいますが、あの時大分にもう一度行っていなかったらすごく後悔したことでしょう。人に会えるタイミングというのも意外と多くないです。来年会える保証はないですし、元気なうちに大切な人には会っておくべきだと思うようになりました。

心が震える体験

みなさんはしたことがありますか?これまでの人生で覚えていることは心が震えるように強く動いた体験が多いです。思いっきり泣いたこと笑ったこと、すごく緊張したことなど。社会人時代の一日一日のことなんかは忘れつつありますが、今回の日本一周旅の一日一日は不思議と鮮明に覚えています。旅中に体験したことをいくつか紹介します。

5月 初めての野宿

旅5日目。高知県の須崎市の飲食店で教えてもらった場所で初めての野宿に挑戦。ところが周りが気になってまったく寝れず。結局深夜に自転車をこぎ始め、七子峠という難所を半泣きで越えた。あの夜のことは忘れられない。旅終盤はどこでも寝られるようになってましたけどね(笑)

6月 あけぼのスタジオ

福山のあけぼのスタジオで撮った写真

初めて日本一周の看板をつけた日に出会ったのは、広島の福山市で写真スタジオを営むお母さん。そのスタジオにご挨拶に行き再会。旅をスタートして初めて、出会った方のお宅に泊まることになり翌日は記念の写真まで撮っていただいた。「福山物語」はここから始まったといっても過言ではない。今でも連絡を取らせてもらう関係になるなんて、これだから旅はおもしろい^^

7月 大雨の知床峠

知床峠石碑

忘れもしない知床峠での出来事。急な山道を登っている途中に大雨にあい、荷物がすべて水没。スマホは画面がつかなくなり、しばらくの間スマホなしで過ごす。青看板を頼りに人に助けられながら旅した6日間はある意味一番旅をしていた感じがする。さらに感動的だったのは、この間に出会った方々が後で写真を送ってくださったこと。「もう自分は一人で旅をしているのではない」と感じた。

12~1月 冬の関東・静岡

本栖湖キャンプ場でソロキャンプ

冬の関東は精神的にかなりきつかった。念願だった静岡のキャンプ場では気温が-3℃に。火を起こしても何を着ても寒く、寝袋の中でひたすら朝を待った。

2月 旅史上一番のピンチ

フォークが折れてトラックに載せられる自転車

広島の福山で壁にぶつかり前輪のフォークが折れる。その後奇跡的な出会いで修理ができ旅を続けられた。町の東部にある春日池公園で出会った方とのエピソードは新聞記事にもなった。結局福山では4家庭もの皆さんにお家に泊めていただいたり助けていただいたり。福山だけで1冊本が書けますわ(笑)

旅の目的は?【186日目 広島】
修理が終わった自転車を迎えに福山へ。お世話になったお宅へ行くと、ある旅人との再会が!そして、「おはなしきくたび」がついに記事に?

4月 ヨットで移動

与論島から沖縄までヨットで渡る自転車

未だかつてヨットで沖縄まで渡ったチャリダーはいないでしょう(笑)沖縄の1つ手前の島、与論島での出来事。たまたま仲良くなった方のヨットに自転車ごと乗せてもらい沖縄まで移動することに。沖縄までは約9時間の船旅。大海原を冒険している感じで大興奮したのを覚えている。船内で食事をしたり、知り合いの方のヨットに泊まらせてもらったり、ヨットの上から花火を眺めたり。最高の想い出になった^^

6月 鳥取の久松公園のおじいちゃん

鳥取城の前のふるさと石碑

旅も残り数日。鳥取城横にある久松公園というところで出会った一人のおじいちゃん。これまでの人生について話してくれた。戦争時に広島の呉の軍事工場で働いていて、特攻隊が飛び立つのを見届けたそうだ。涙ながらに語ってくれ、最後に「聞いてくれてありがとうな」と伝えてくれた。ここまでのきつい旅や出会いのタイミングがすべてこの日につながっていたような気がした。

ここにあげたのはほんの一部の体験です。旅仲間の話を聞いているとみな各々びっくりするような体験をされていておもしろいです。最近ふと思うのは、こうしたことを人生の終盤にどれだけ覚えているだろうということです。「今回の経験は一生忘れることはない!」と思っていても自分の身に何があるかはわかりません。だからこそこうして記録しつつ、今後の人生でも「心が震える体験」をできるだけたくさんしたいと思っています。

私はたまたま自転車日本一周という手段で旅をしました。しかし、以上のようなことが旅だとしたら手段は何でもいいのかなと思います。後半の最初に記したように、必ずしも移動を伴う必要はないです。たとえば「奇跡的な出会いの数々」は実は日常生活や仕事の中でもあります。「心が震える体験」は別にわざわざ日本を周らなくても行動さえすれば得られるものです。

心の持ちようを鍛えること

旅を終えて感じたことは前半でお伝えした通りです。旅をする前と後では考え方や気持ちに変化が起きました。では、

旅に出れば何か変えられる!

でしょうか。なかなかそうとも言い切れませんね。ここで私が大事だと思うのは心の持ちようです。周りの事象にアンテナをはって、出来事をポジティブにとらえる。自分を否定せずに決めたことは信じて進む、そんな感じです。心の持ち方が良くないと、どんなに出会う数にあふれていても気づかずに通り過ぎたり、貴重な成長の機会を逃したりします。

そんな心の持ちようを鍛えるにはどうしたらよいか。これについては私も悩んでいるところです。ただ最近は‟旅=心の持ちようを鍛えること”と思うようになりました。世の中の多様な価値観に触れたり、奇跡的に出会ったり、心が震える体験をしたりする旅。それを繰り返していくことで心を鍛えられると思います。とかかっこいいことを言いつつ、多くの旅を経験してきた私も日々失敗と挑戦を繰り返し奮闘しているところです。

北海道猿払村の標識

旅中はどちらの道に進もうか迷うことが多くありました。考えた末に右に進んだとしましょう。結果的にいい人に出会い自分の選択は正しかったという感情になります。では左に進んでいたとしたら何も起こらなかったでしょうか。そちらはそちらでいい出来事に出会えたかもしれません。だとしたら、迷っている時間がもったいないと思いました。心の持ちよう次第で大概は自分のための道にすることができます。興味があるならとにかくやってみる!ほんとそれに尽きます。多くのことは行動してからわかるものです。

おわりに

さて、感じたことをありのままに書きすぎてまとまりのない内容になってしまいました(笑)最後に旅を終えた翌日の出来事をお伝えして今回の記事を終わろうと思います。

6月19日

すっかり伸びた髪を切ろうと美容室に行く予定を入れた。いつもは電車で行く距離だがなんとなく自転車で行きたい気分に。距離は15キロ。「まあこれくらいなら自転車ですぐやな(笑)」そう思った。

走り出すと早速道路上の青看板が気になる。北海道でスマホが壊れ青看板を頼りに数日走った記憶がよみがえる。橋を渡っていると魚を狙う鵜が見えた。わりと都会にもいるもんだ。

この日は風が強く、信号待ちをしている時に隣のおばあちゃんが自転車ごと倒れそうになった。とっさにおばあちゃんの体を支える。

ありがとう^^

少しほっとしたが、それ以降も街中には気になる人がちらほら。「あの人はずっと下向いて歩いているな」「この人はどうしてこんな急いでいるんだろう」などなど。

もうすぐ美容室に到着というときに目の前で中学生くらいの子が自転車で転んだ。すぐに自転車を止めて駆け寄り、けがはないか聞いた。少し痛がっていたので、コンクリートの縁に座って様子を見た。学校帰りのようだ。

自転車かっこいいですね!

彼が言った。旅を終えたばかりの愛車はボロボロだが、彼にそう言ってもらえてうれしかった。勢いで昨日までの日本一周旅のことを話してみた。

実は昨日までこれで日本を周ってて…

彼は驚いた様子で「すごいです!」と話を聞いてくれた。家までは帰れそうということで15分程話してから別れた。

夕日と写真を撮る自転車日本一周中の旅人

まるでドラマのような旅翌日の出来事でした。旅に出たから視野が広くなったとか、旅してるからえらいとかそういうのは全くありませんが、日常が明らかに豊かになった気がしました。街の中にいる人の一人ひとりの人生を考えると尊いなと。話しかけてみたい人がたくさんいました。

この一年で少しだけ

‛想像力’

がついたのかもしれません。

「日本一周」という衣を脱いで一日目。今日からが本当の旅なのかも。

ともや
ともや

自転車日本一周ブログはこれにてようやく完結。いやあ時間かかりすぎました(笑)まだまだ書きたい旅がありますので次回もお楽しみに!

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