こんにちは!ともやです。
今回は自転車で日本一周中に参加した自然学校での体験をレポートします。
自然学校って何?
ボランティアの申し込みはどうすればいいの?
まずはそんな疑問のお答えしていきたいと思います。実際に体験した内容は後半ですので、必要ない方は前半は読み飛ばしてください。
自然学校とは?
自然学校とは、主に自然の中にある校舎で子どもがさまざまな自然体験を通して主体的に判断したり、共に生きる力を育んだりする場所を指します。自然学校は全国にありますが、兵庫県では昭和63年から全公立小学校5年生を対象に4泊5日以上の自然体験活動が実施されています。
「体験活動」とは以下のようなものです。
体験活動とは、主として「体験を通じて何らかの学習が行われることを目的として、体験する者に対して意図的・計画的に提供される体験」のことを指します。
自然体験や生活体験といった体験が豊富な子供やお手伝いを多くしている子供、生活習慣が身に付いている子供ほど、自己肯定感や道徳観・正義感が高い傾向が見られます。
引用:平成28年度 文部科学白書
体験活動の例としては放課後の遊びや手伝い、部活動、ボランティア活動などが挙げられており、登山やキャンプ、ハイキングといった自然体験活動もその一つです。
自然学校ボランティア
自然学校はNGOや個人が運営しているケースが多く、専属のスタッフがいるところやボランティアで運営しているところなどさまざまです。各学校が運営にかかわるスタッフを募集していたり、専門団体を通して、ボランティアを募集していたりします。今回私は、日本国際ワークキャンプセンターNICEという団体のプログラムでボランティアに参加しました。
NICEとは
NICE(ナイス)は1990年に設立された、国内・国外でワークキャンプをはじめとした各種事業を行う団体です。ワークキャンプは古くから海外で行われてきた合宿型のボランティアのこと。期間は数日のものから1年に及ぶものまであり、国内・海外多くの地域で募集されています。
費用について
NICEのワークキャンプに参加するには一定の費用がかかります。「え?ボランティアなのに費用が掛かるの?」と思う方もいるかもしれませんが、宿泊を伴うものが多いので宿泊費や食費がどうしてもかかります。ワークキャンプを行っている団体の多くはNGO(非営利組織)です。行政からの受託事業や民間企業と提携しているケースもありますが、ほとんどは運営資金に乏しい現状があります。参加するにあたって、最低限自分の生活費や体験の費用は必要になってくるのかもしれません。
NICEの参加費用は初回参加、複数回参加、参加期間で異なってきます。
期間 | 初回 | 2回目以降 | 連続参加 |
6日日間未満 (超短期) | 19000円 | 16000円 | 13000円 |
7~29日間 (短期) | 29000円 | 26000円 | 19000円 |
30日以上のプログラムもあります。今回の白神自然学校は7日間なので、初回7日間の29000円を費用として支払うことになります。1年更新の年会費3000円が含まれているので、2回目以降は少し安くなります。
どんなプログラムがあるか
現状募集しているプログラムでいうと、農業支援や集落再生事業、子ども食堂の運営補佐などがあります(2023年10月現在)。過去には、子どもキャンプの運営や古民家の雪下ろしなどもありました。コロナ禍で休止していた海外プログラムの募集も再開しています。私は以前、タイの山岳民族を支援するプログラムに参加したことがあり、とても貴重な体験ができました。
申し込みについて
まずはNICEのHPで会員登録を行い、参加したいワークキャンプを選びます。その後は以下の流れです。
①募集ページから参加申し込み
②参加費用の決済(クレジット払いか口座振り込み)
③受け入れの通知
④出発準備
となります。ワークキャンプの種類によっては、任意参加の事前研修や事後研修があったり、zoomで参加者との顔合わせがあったりします。私が今回申し込んだ白神自然学校のボランティアも出発の1週間前にメンバーとの顔合わせがありました。
ボランティア内容
ではここからは、私が実際に体験した内容をお伝えします。お世話になったのは白神自然学校一ツ森校という自然学校で、青森県鰺ヶ沢町という町の山奥にあります。
場所
とても自然豊かな場所で周りには山と田んぼの景色が広がっています。
こちらが自然学校の校舎。元々は小学校として使われていた場所で、趣があります。
食事の準備
集まったメンバーで自己紹介を終え、食事や外出の分担を決めました。食事担当は朝と夜の食事の準備をします。外出の担当は子どもたちに同行して、一緒に川や山へ遊びに行きます。
子どもたちが飲む麦茶を準備したり、調理する食材を切ったりします。準備から調理まで、スタッフの方が親切に教えてくださりました。
食事の準備以外は主に掃除です。トイレ掃除や廊下はき、子どもたちが寝るテント周りの整理などをしました。
体験活動
自然学校でのメインの活動は上記でもお伝えした自然の中での体験活動です。この日は車で近くの海へ行って遊びました。
海で遊ぶ
海でもぐったり、水をかけあったり、ビーチボールで遊んだりしました。スタッフもまるで子どものようにはしゃぎました。
海遊びの後のスイカは最高ですね!
ピザ作り
また別の日はピザ焼き体験です。
自然学校の代表手作りのピザ窯で焼いていきます。
このムラのある焼き加減がいい感じですね!
木こり体験
今度は森の中へ。
目の前には白神山地の大自然が広がります。
安全に配慮しながら間伐を体験。枝切用のノコギリで細い枝を切り、木を倒しやすいようにしていきます。チェーンソーは免許のある方しか使いません。森はこのように誰かが手入れをしないと荒れていってしまいます。
体験後のスイカ種飛ばし大会。みんな全然飛んでませんやん(笑)
BBQ&花火
BBQもしました!
校舎の庭で花火も!都会ではなかなか家の前で花火をすることも難しくなってきましたね。最初から最後まで一番はしゃいでいたのは代表の方でした(笑)
たちねぶた鑑賞
一番の体験は五所川原市で行われるたちねぶたの鑑賞です。
「ねぶた」というと青森市内の横に長いものが有名ですが、こちらは高さのあるねぶたです。3年ぶりの開催で地元の方の熱気がすごい。ねぶたのあまりの大きさと光の美しさに子どもたちは感動していました。
自然学校に集まる子どもたち
自然学校にはさまざまな背景のある子たちが集まります。兵庫県の小学校のように学校行事としてほぼ全員が参加するという場合もありますが、今回のように夏休みを利用して、全国各地から集まるというケースもあります。
集まった子の中には小さいころから毎年参加している子、学校に毎日通うのが難しい子、家庭や自身のことで悩みを抱える子がいたりします。自然の中での体験、たとえば単に海や山へ遊びに行くということが子どもによっては新鮮だったり、リフレッシュになったりします。今回の子どもの中にも、普段は部屋で長時間ゲームをしているという子がいましたが、自然の中で思い切り遊ぶ姿が見られました。
子どもたちは遊んで終わりというわけではなく、毎晩今日の活動についてふりかえりをします。今日の体験を通して自分はどう感じたかを紙に詳しく書いていきます。はじめのうちは「楽しかった、おもしろかった。」という感想文のようなものが多かったですが、体験を重ねるごとに、発見したことや自分の中で変わったことなどが文章の中に出てきます。「えー!今日も書くの~?」と言いつつ、どの子も考え込みながら、えんぴつを走らせていました。
ボランティアを終えて
自然学校でのボランティアは初めてでしたが、こんなに楽しいものとは思っていませんでした。最初はメンバーとの生活やお手伝いに慣れることができるか不安でしたが、日を重ねるごとに気持ちを共有したり、困っていることに気づいて助け合ったりする場面が増えました。子どもとの出会いも大きかったです。たった1週間ですが、内面的に成長していく姿が見られました。廊下で目を閉じて迷走するように過ごしている子どももいました。ここにいると落ち着くそうです。子どもにとって安心できる居場所作りにかかわれた気がしました。
参加するまで、自然学校のボランティアは教員志望の学生が多い印象でした。ですが今回は全国からいろんなきっかけで参加されているメンバーでした。白神自然学校のボランティアは、期間によっては外国の方がメンバーにいることもあります。海外ではワークキャンプやバックパッカーの経験が就職時に有利に働く場合もあるようです。ボランティアをしながら異文化の交流もできるのは貴重ですね。
閉校式で、メンバーがそれぞれ感想を言いました。自然学校の代表の方が感想の最後に大声で「楽しかった!」と言っていました。この言葉自分にとっては衝撃的でした。今まで学校の長がそんな言葉を発するのを聞いたことがなかったからです。誰よりも遊び心を持って楽しんでいたんだと思いました。
こういったボランティアというのは今回ご紹介したNICEだけではなく、さまざまな場で募集があります。興味ある方はぜひ参加してみてください。少しでも参考になれば幸いです。
自然学校の体験レポートいかがだったでしょうか。少し記事っぽく書いてみました。今後も共有できそうな体験は記事にしていきたいと思います。ありがとうございました!