記念すべき日本一周50日目。途中びっくりするような差し入れをいただきました。そして無事ゴールに着いてから長い長い夜の戦いが始まります。生きて明日を迎えられるのか!
それでは行ってみましょう!
新潟市内散策
今日も新潟を北上する。明日には山形へ抜けたいところだ。ゲストハウスのオーナーに別れを告げ出発。
橋を渡って、オーナーがおすすめしてくれた場所へ向かう。
ここだ。みなとのマルシェピアBandai。
うわあ!うまそうな焼き魚!!これもいいけど…
やっぱり海鮮丼!(笑)日本海の海の幸はうますぎるぜ!
新潟駅にやってきた。駅前は工事中。
モニュメントがあった。少し撮りにくい場所にあるな。反対側の道から撮影。
これで新潟は制覇、ということでよろしいでしょうか(笑)
まさかの差し入れ
新潟市からは、7号線を通って新発田市の方へ向かう。
途中で車に乗ったご夫婦が声をかけてくれた。
「今これくらいしかあげるものがなくて…」
そう言ってQUOカードをわたしてくれた。話しかけてくれるだけでもありがたいのに、嬉しいプレゼントだ。
新発田駅に到着。駅前の日陰にベンチがあったので休むことにした。
すると、通りすがりのおばちゃんがかばんに入っていたお菓子をくれた。買い物帰りだそうだ。
新発田を「しばた」と読むのは難しいでしょ。
たしかに最初は読めなかった。旅をしていると、各地で難読地名に出会う。ただ地元大阪もそれなりに難しい地名が多い気がするなあ。放出、十三、中百舌鳥、杭全…。全部読めたあなたは大阪通ですね(笑)
続いて現れたおばあちゃん。手には大きな袋を抱えている。自転車の看板の前で立ち止まっていたので声をかけてみた。
こんにちは。これからどこか行かれるんですか?
こんにちは。あっこに住んでる友だちのとこへ行くんですけど…あなたは自転車で回ってるの?
おばあちゃんが袋いっぱいに持っていたのはとうもろこしだ。近くの友だちのところへ、とれたてのとうもろこしを持っていく途中だったようだ。
よかったらこれどうぞ。あ~もう一本。
なんとそのとうもろこしを2本もいただいた。
積めそう?
あ、はい!積めます!
何も考えずに返事をしてしまった。カバンの中はパンパンでもう入らない。とりあえず荷物の上に固定することにした。
まさか、こんなものをいただけるとは(笑)
ありがたさと驚き。旅がまた一気におもしろくなってきた^^
しばらくは‟とうもろこし号”で走ってまいります!
今日の寝床へ
再び7号線に沿って北へ走る。そろそろ新潟県を抜けたいが、まだ距離はありそうだ。
胎内市というところに入った。すてきな名前の町だ。
きれいな田んぼが広がる。さすが米どころ新潟県。どこでもこのような景色が見られる。
今日もいつの間にか日が傾き始めている。自撮りでもしますか。
ちなみに自分で撮影する際に使っているのは、300均ショップで1000円で購入した自撮り棒。Bluetoothのリモコン付きで自立するので、こうしたカットも難なく撮影できる。
今日はどこかで野宿になりそうだ。
ここの河川敷、テントを立てるには良さそうやけど、道路から丸見えやなあ…。
もう少し隠れた場所でひっそり野宿はしたいものだ。
いつかのクイズ番組のように、「テレフォン」で誰かいい野宿先紹介してくれへんやろうか(笑)
結局、先ほどとは別の河川敷で寝ることにした。ペグ打ちのテントでの旅は野宿先を探すのに一苦労。あたりは暗く、人通りはまるでない。ここなら注意されずに済みそう。一安心だ。
おやすみなさい…
とここで今日一日が終わるはずだった。今日の戦いはここからである。
長い夜
23:00
明かりを消して少したったときだった。テントの周りで何かの気配を感じる。
クンクン、クンクン。
何や?
もう一度耳を澄ませる。
クンクン、ゴソゴソ、クンクン。
やっぱり聞こえる。そおっと上半身を寝袋から出し、テントのふちを見る。
何か小さい生き物が2匹、いや3匹か。テントの周りをうろついている。
ときどきテントに鼻を近づけ、クンクンと音を立てては遠ざかる。その繰り返しだ。
カチッ!
思い切ってライトをつけた。
すると生き物たちがさっと草をかき分けて逃げていくのがわかった。
見ると夕食に食べた弁当のごみの袋が開いていた。きつくしばって別の袋の中に入れる。
大丈夫、熊ではない。きっと小さなイタチか何かだろう。
そっと寝ころび、再び眠りについた。
大丈夫、大丈夫…。そう自分に言い聞かせる。次に目を開けたら太陽の光がさしてすべて事は終わっている。大丈夫だ。
だがすでに目はバキバキにさえていた。ぐっすり寝られるはずもない。両耳は来てほしくない獣の足音を探している。
コソコソ、クンクン。
来た。
やつらだ。またしてもテントの周りを3匹の獣が回り始めた。さっきよりも近く、テントのふちに体がこすれる音も聞こえる。その影は最初に感じたサイズよりも大きかった。
たまらず明かりをつける。獣たちは一旦離れるもすぐにテントの周りに集まってくる。
ライトをチカチカ。
テントのシートを内側から何度もたたいてみる。がどれも同じ結果だった。
なんやねんもう!
こうした戦いが1時間ほど続いただろうか。
くそう。ここで俺の旅は終わるのか。
何をそこまでと思うかもしれないが、この時は本気でそう思った。
もしイノシシ、いや熊やったら。一斉に襲われたらおしまいや…。
テントの外に出て追い払うか。いやそんな勇気はない。
こんなところにテントを張るんじゃなかった(泣)
テントを支えているペグを確認する。幸い6本とも深く地面に刺さっている。
耐えるしかない…。
半泣きで寝袋に体をすべて入れる。耳をふさぎじっと耐える。
そうしているうちにいつの間にか眠りについていた。
村上市までのルート
2022年 7月2日【50日目】
新潟市→村上市
走行距離 72km
積算距離 2,654.7km
記念すべき50日目はびっくりするような差し入れに、びっくりするくらい長い夜が待っていました。あの獣たちの正体は何だったのか。今思い出してもぞっとしますが(笑)さて、無事に朝を迎えられるのか。次回もお楽しみに!