旅に出て、初の雨。「大丈夫雨くらい。」そう言い聞かせて進むのですが…。
腹が減ってはチャリはこげぬ
海陽町の宿からおはようです!
せっかく広い部屋に泊まれているので、荷物を整理する。やっぱりちょっと多い気がするなあ。
今日は室戸岬を回って行けるところまでこぐ。さすがに高知市までは行けないだろうが、曇り空の中出発!
徳島市内からは国道55号線を進んでいく。車道は狭いが、これくらいの歩道があると安心して通ることができる。
時刻は10時。朝ごはんを食べずに出たせいか、お腹が鳴る音が車のエンジン音よりも大きく聞こえる。とは言っても店はまばらだ。
なんや?ええにおいするやんけ!これは…中華か? 道路沿いにポツンとご飯処が現れた。
中では、作業服を着た人たちがランチを口にかきこんでいる。「ここで食べるべきか、いやもう少し頑張ってから…。」
「…。」の部分でもう着席しておりました(笑)店の名は豚皇(トンファン)。メニューには中華料理がずらっと並ぶ。ここの食べログでの評価は…ええいそんなのどうでもいい!おいしいかどうかはこの舌が決めるんや!
その舌さんはというと、さっきから「なんでもええから口にほりこんでいよ!」そして胃袋さん「まあまあ落ち着けって、今から中華料理流れてくるからさ!」
体の中はこんな状態なので、サービス定食のAを秒で注文。
ほお、これこれ。
いつもは野菜から食べるものの、今回は目についたものからどんどんかきこんでいく。舌さん、胃袋さんを待たせるわけにはいかない。
ごちそうさま!
体の中は拍手喝采スタンディングオベーション。これでしばらくはこげるはずだ。
高知県入場
また少しこぐと青看板が見えてきた。高知県に入場だ。四国に入ってから4日目、いいペース!
海の駅というところで休憩。
大好物の海鮮丼をいただいた。
ここで地図をもう一度確認。「お?真ん中突っ切るルートがあるやん。」室戸岬を回るよりもかなり短縮できそうだ。日程的に余裕があるわけではない。1週間後には、愛媛でおてつたびというお仕事に参加する予定なのだ。「おてつたび」については後のブログで!
ということで、地図上の県道493号線ルートで進んでいくことにした。東洋町を過ぎて国道55号から右に曲がり、内陸に入っていく。
少し雨がぱらついてきたので、ネットで安く仕入れたカッパを着る。足元にはゴムの靴カバー。後ろのバッグは防水。
完璧や。
雨が降ろうがこの装備ならどこまでもこげる。
少し山道になってきたが想定内。内陸に入っているのだから多少のアップダウンはあるだろう。途中、工事のおじさんたちが珍しそうにこっちを見つめる。
ん?なんかおかしい。全然進まん。
突然ペダルの踏み具合が変わる。さっきの道路とは明らかに違う傾斜。「あかん、降りよう。」自転車を降りて押してみることにした。
まあ少し押したら峠を越えて…。
そう思ってもう30分くらいたっただろうか。まだまだ上り坂は続いている。雨も強くなりだした。
さすがにあかん、戻ろう。
5㎞ほど来た道を戻る。すると行きに出会った工事のおじさんたちが話しかけてきた。
この先は軽トラでも抜けるのに1時間はかかるぞ。
危ないところだった。もう一度元の国道55号へ戻り再出発。やはり室戸岬を回ることになりそうだ。
室戸岬へ
室戸岬まではひたすらこんな道が続く。晴れていたらきれいな道なんだろうが…。
少し途中休憩。ここでたこ焼き売ってたんかな?
出発から約4時間。室戸岬に着いた。
雨のせいか、人の姿はまばらだ。ごつごつした岩場と中岡慎太郎の像があった。
中岡慎太郎は坂本龍馬とともに活躍し、最後は龍馬と一緒に暗殺された志士らしい。30分くらいあたりを散策したが、先に進むことにした。
ついに初の野宿か?
室戸岬からさら進むと田野という町に出る。休憩所の看板が見えてきた。今日はこのあたりかな。
時刻は夜の7時半。すでにあたりは真っ暗である。夜の走行は危険だ。ましてやこんなに荷物のある自転車では……ん?
めっちゃ汚れとるやんけ!
Tシャツはつけたまま走行していた。せっかく書いたのに。
いいですかみなさん。泥除けがないとこうなります(笑)まあええか、おかげでマットには汚れがついていない。
今日はここで野宿してみるか。
人生はじめての野宿。持っているテントはペグ打ちのテントなのでここでは張れない。よってベンチか床で寝ることになる。
とりあえずマットをしき、寝袋を出すためバッグに近づく。バッグは防水。寝袋は無事なはずだ。もう一度言おう「無事なはずだ…。」
ところが、バッグは湿っていた。湿っているどころか、絞ったらすぐに水が出そうなくらいだ。
うそやろ?
半泣きになって寝袋を触る。湿り気が指先から伝わる。
わかったよ。バッグから出さなくても俺にはわかるさ…(笑)
「バッグは防水」といきがっていた時間に時を戻そう。後ろのキャリアにつけているパニアバッグ。購入したサイトにはたしかに「防水」と書いてあったが、小さくこうも書いてあった。
「小雨に抵抗」「短い時間」
付属のレインカバーがあったことも忘れていた。もはやどこに直したのかも覚えていない。時刻は20時。気温が下がってきている。寝袋なしでは寝れやしない。
こうなったら高知市まで行くしかない。
このときの自分にはこのアイディアしか浮かばなかった。ライトをつけてとにかく進む。※暗い中の走行は事故のリスクが増しますので、自己責任で。
よかった!自転車道がある!入ろう。
だが自転車道はすぐに終わりをつげる。「もう!なんやねん!」災難というのは重なるものだ。
高知市内まではあと16㎞。雨は上がっている。なんとか行けるか…。
無事高知市に入った。時刻は23時。こんな時間まで走ることになるとは…。
なんとあたたかみのある色の看板。今日のゴールはここ!地元にもある快活CLUBだ。飲み放題にシャワー(無料)、コインランドリー(有料)まである、旅人にとってはもはやホテル以上の施設である。
初めての雨。今日はよく走った。学びが多い一日でした。
高知市までのルート
2022年 5月9日【4日目】
徳島県海陽町→高知市
走行距離 157.3km
積算距離 376.4㎞
受難の4日目。距離はなんと157㎞。走りすぎですね(笑)獲得標高が示す通り、途中アップダウンも結構ありました。今日も読んでくださりありがとうございました!