3人で迎える朝
福山のとある公園からおはようです!
-3℃の世界から無事生還。まさか平地で再びあの温度を経験するとは(笑)
両サイドはさわやかに、いや彼らもさすがに今朝の寒さは堪えたようだ。朝起きて「おはよう」と言える相手がいるのは嬉しい。寝袋を丸め、荷物を自転車にセットする。
「朝ごはんはどうしてるの?」という会話に山梨の彼が答えてくれた。彼がおすすめしたのはすき家の朝定食だ。
その名も牛まぜのっけ朝食。オクラに卵、牛皿にみそ汁がついて390円(ご飯並)だ。牛丼(並)は430円なのでこれはお得!こうして旅人3人で朝ごはんを食べるというのは今までになかった。
会計の時、熊本の彼が「出します!」と言った。彼はお世話になった方にいただいたカンパを使うという。こちらがもらったカンパではないので断ると、彼は「恩送りです」と言った。いただいた恩を返すのではなく、別の人に送っていくという精神。なるほど、今自分たちはその方の恩を分けてもらっているのか。
また自分がそれをつないでいかないと!
朝のすき家にしては少しドラマティック、映画のワンシーンかのような時間だった。
3人で縦一列になって尾道までこいだ。独り言が会話になる。不思議な感覚だった。
自転車と一緒に写真を撮る。
それぞれ旅に出た理由や通ってきたルート、出会った人などまるで違う。ここで出会えたのは何かの定めだろう。最後にいい写真が撮れた。
山梨の彼とはここでお別れだ。尾道からしまなみ経由で四国を回るという。Tシャツにメッセージをお願いし、フェリー乗り場で見送った。四国旅元気にいってらっしゃい!
しまなみアゲイン
フェリー乗り場に残った二人。彼もこの後しまなみを渡る予定だ。思いついたことをぼそっと言ってみた。
しまなみ、二人で走るのもおもろそうやな…。
彼は秒でうなずいた。まさかのしまなみアゲイン(笑)ちなみに私は今晩再び福山で予定がある。行けるところまでついていくとしよう。尾道の記念にラーメンを食べることにした。
時間がない中、ラーメンをかきこむ。うまい。寒さで凍えた体に染みわたる。
尾道港からフェリーに乗船。つい数日前にこのフェリーで尾道にやってきたはずだが、旅とは不思議なもんだ。実に4回目のしまなみサイクリング(笑)
一つ目の島、向島に上陸。尾道側からしまなみ海道を走る場合は最初のみフェリーで渡り、残りは6つの橋が控えている。彼は初めてのしまなみらしい。
こうして少し話しながらのサイクリングは楽しい。誰かとこいでいると、景色の美しさや感じたことをその場ですぐ共有できる。
因島から3つ目の生口島にかかる橋からは、車と同じく橋の上を走行できる。全国でも珍しい橋の景色に驚く彼。
2つ目の橋を渡り終えたところで、時間が来てしまった。楽しいツーリングだった。四国へ向かう彼と別れる。またいつか会えると信じて。
めぐりあい
さて、ここから再び福山へ戻る。まるで福山に住んでいる人みたい(笑)
トイレ休憩。一人は気楽でいいが、3人から1人になると少し寂しい。
尾道に帰ってきた。さあここから九州へ!…行かない(笑)体は自然と東方向へ。マップを見ずとも福山には戻れる。
青看板に岡山の文字があった。そういえば、岡山もまだやった。え、このまま行っちゃう?(笑)
福山に再び戻ってきたのはある方にお会いするためだ。178日目に春日池公園で出会ったMさん。あの時私が公園を去った後も探し回ってくれていたらしい。奥さんに会わせたかったそうだ。わざわざインスタのアカウントを作って、私にDMをくださった。そこまでしてくれた方だ。ぜひもう一度お会いしたい。
ご自宅に伺うと、奥さんが出迎えてくれた。優しそうな方だ^^食卓には豪華な晩ご飯が並んでいた。
おいしい肉をいただきながら、旅の話をした。Mさんが公園で少し話しただけの私を招いてくださったのは、ある理由からだった。
とても元気そうに話す奥さん。実は昨年、脳梗塞を患ったそうだ。心身ともに落ち込んでしまい家族意外と話すことはなくなってしまった。リハビリのために訪れていたのが春日池公園だ。公園で出会ったときはMさんだけだったが、自宅にいた奥さんにも会わせたいと思ったそうだ。
今日来てよかったな^^
素直にそう思った。実はお誘いを断ってそのまま九州に行くことも考えていた。しかし、縁ある福山でせっかく出会えた方のご希望だ。うまい飯や美しい景色はまた出会えるかもしれない。でも人は…
このタイミングしかない!
そう思ってこいできて正解だった。お二人は旅の話を「うんうん」と最後まで聞いてくれ、私もまたご家族のことや過去のエピソードを聞かせてもらった。教え子の話や出会った有名人の話は特におもしろかった。奥さんにとっては病の後、家族意外と話す初めての時間になった。自分も少し感動してしまった。
お手洗いを借りた。目の前にはある方の詩があった。昨日あの旅人たちに出会えたのもめぐりあい。今日こうして素敵なご夫婦に出会えたのもめぐりあい。何か一つでもずれていたら叶わなかった貴重な時間だ。
このありがたみ噛みしめて眠ります。おやすみなさい。
福山市までのルート
2023年2月16日【180日目】
福山市⇔尾道市
走行距離 64.2㎞
積算距離 9,408.4㎞
福山まで戻ったかいがありました。というか旅を始めたかいがありました。次回もお楽しみに!