大阪を出て1か月、ようやく下関にたどり着いた私。そこである旅人たちとの再会が!それでは行ってみましょう!
再会そして別れ
おはようです!
お借りしたのはこちらの東屋。ここである旅人と一緒に寝た。この間、岩国の錦帯橋で別れた熊本のチャリダーだ。
昨晩の遅くここにたどり着き、彼にドッキリを仕掛けた。
こら!だれやそこで寝てんの!
悪い者に見つかったかのような彼の顔、おもしろかった(笑)寝袋を片付け、支度する。
と言っても今日の目的地はすぐ隣の唐戸市場だ。市場に行くから隣の広場で寝ようなんて、やはり私たちはネジが数十本飛んでいる。
ここではもう一人、待ち合わせしている。
山梨の彼だ。
福山ではこの3人で極寒の公園で野宿した。あれから約1か月。まさかまた会えるとは^^
唐戸市場では土日祝日限定で「活きいき馬関街(ばかんがい)」というイベントが開かれる。その日にあがった魚がにぎりやどんぶりで各店舗の前に並ぶ。寿司好きには天国のような催しなのだ。
好きな寿司を選びパックに詰めてもらう。市場の中も外も人でごった返していた。
寿司は最高にうまい。加えてこの3人が集まるとさらに濃い時間になる。二人が一緒に走った四国旅のことや今後の旅の流れを話す。もちろん福山の思い出も。
まだまだ話したりないが、この辺りで。最後に市場前で写真を撮ってもらった。決意と寂しさの両方がわいてくる。
山梨の彼は九州へ渡り、時計回りに一周するそうだ。日本一周旅のことを「めんどくせえ」と言っていたのが印象的(笑)またどこかで!
熊本の彼もまた、ゴールをめざして九州へ渡る。出会った旅人の中でも一番多くの時間を過ごした人だ。それぞれの道だが向く方向は同じ。二人はいったいどんなゴールの瞬間を迎えるのだろうか。お気をつけて!
新たな挑戦
一方の私も関門海峡を渡るわけだが、ここでまた別の旅人を一人待つことになっていた。彼はこの市場をめざして必死に歩いている。
午後、彼が市場に無事到着。みなさんは覚えているだろうか。
尾道で最初に見かけ、岩国からの帰りに話すことができた1000キロハイクの旅人だ。彼とはインスタを交換していたので事前に連絡を取り合い、タイミングよく会うことができた。
今度は彼と一緒に寿司をほおばる。道でばったり会った人と再会できて、こうしてうまい飯を食えるというのは感慨深い。彼と今後について話をしているときだった。
熊本まで24時間チャレンジするんです!
なんと彼、最後の福岡からゴールの熊本までは深夜0時から24時間歩き続けるというのだ。その距離約100㎞。ただ、そんな無謀ともいえる挑戦を聞いた脳筋おじさんはこう思った。
おもしろそう!
実は前から歩き旅に挑戦したいと思っていた。きっかけは令和のリアカーマンと人力車のシュウくんとの出会いだ。二人ともものすごい精神力で旅を続けていたが、歩くペースで見る景色や出会う人の話がめちゃくちゃおもしろかった。ダメ元で彼に聞いてみる。
ご一緒…できますか?
彼は「逆にいいんですか!」と嬉しそうに答えてくれた。
出発は明日の0時。こうして1000キロクレイジーマンと脳筋おじさんによる夢のコラボが決定したのである。
九州上陸
彼とは一旦解散し、ひとまず九州へ。関門海峡は歩行者と自転車は地下の通路を使って渡る。
ついに九州に上陸。九州編のはずが、ここまでの移動でしっかりと‟旅”をしてしまった(笑)
門司港レトロのあたりをうろうろ。
約束の時間は0時。それまでに北九州市にいればいいので、少しゆっくりする。
北九州へ移動。徒歩旅の前にもう一人会う予定の旅人が北九州で待っている。
その旅人と合流。彼の名はとーやくん。2月ごろからインスタでやり取りはしていて、今回たまたま会えることになった。めあての豚まんは残念ながら閉店。歩きながら店を探した。
おいしそうな中華の店にピットイン。旅話や教育関係の話で、盛り上がった。
旅の相棒はこちらのクールなバイク。よく見たらクッキーモンスターがいてかわいい^^相棒とともに日本の本土の端をめざして走っているそうだ。すごいな!
またどこかで会いましょう!
24時間ハイク応援旅
とーやくんと別れ、集合場所である北九州の快活に入店したのが23時。集合時間までは1時間ほど仮眠をとる。
自転車の後ろにつけていたスケッチブックに文字を書く。今回私が挑戦する新たな旅はその名も24時間ハイク応援旅だ。
ゴールの熊本まで24時間100㎞の歩き旅をする彼をサポートする。といっても徒歩旅に慣れない私が邪魔になってはいけないので、ついて行かせてもらうのは始発の時間までの6時間ほど。どこかで電車に乗り、北九州に置いている自転車のもとへ帰ってくるわけだ。
午前0時。快活から出てくる二人。憧れた徒歩旅がついにスタートする。
始まった!
写真を撮りながら興奮した。歩いているだけなのに湧き出すワクワク感。
まずは福岡の人通りが多い道を歩く。彼は歩きながら、旅についてたくさん質問してくれた。途中応援してくれたり、写真を撮ってくれる人がいた。
街中を離れると当然明かりは少なくなり、すれ違う人もほとんどいない。夜中にこうして幹線道路沿いを歩いているのは自分たちくらいだろう。
彼の計画ルートはすごい。目的地まで最短、山越え谷越え進んでいく。そして、彼の表情に疲れは見えない。これが東京から歩いてきた方の背中か。まるで、さっき家を出たばかりのよう。彼はとある有名大学のサークルに所属している。メインの活動は「歩くこと」だ。そんなサークルがあったとは。彼の話もめちゃくちゃおもしろい。
途中出会った方が袋いっぱいの差し入れをくださった。夜中にこんなところを歩く旅人に…本当にありがたい。
トンネルだってなんのその。淡々とペースを守って進んでいく。彼は聞き上手なので話が進んでしまう。おかげでトンネルに入ったときに感じた長さよりも短く感じた。トンネルの出口と同じで、この徒歩旅にも必ずゴールがある。一歩一歩着実に近づいていく。
歩き始めて約6時間。始発が走り出す時間帯だ。さすがに足が痛い。バッグに入れていたキャンプ道具で湯をわかし、カップ麺を食べた。
夜明け。福岡県の香春駅というところで最後に写真を撮った。
がんばって!!
この時点での距離は26km。ここからさらに80㎞歩くのだからすごい。
彼は何度も感謝してくれたが、自分の方こそありがたかった。こんな貴重な旅を経験豊富な彼とさせてもらえたことがうれしかった。しかし、「やってみたい」と思っているとそのチャンスがふってくるものだ…。
いや本当にそうか?
日常には知らない間にチャンスが転がっているのかもしれない。大事なのは「やってみたい」ということを声に出し、アンテナを張っておくことではないだろうか。
帰りの電車でそんなことを考えた。足の痛みを忘れるほど、貴重な旅の経験に酔いしれた。
北九州市までのルート
2023年3月11日【194日目】
下関市→北九州市
走行距離 30㎞
積算距離 10,160.8㎞
チャリダー3人で過ごした時間は最高の思い出です!徒歩旅の彼はその後も順調に歩き続け、最後は雨の中熊本に無事ゴールします。ものすごい精神力とパワーでした👏