熊本入場
6:15 阿久根市の公園で起床。ベッドの幅がやや足らなかったが、ぐっすり寝られた。
友人にもらった玉ねぎスープを飲み干す。体が温まるぜ~。
残り3日で熊本のおてつたび先に行かなければならないので、今日もできるだけ進みたいところ。日本一周後半はあまり決まった予定がなく進んできたが、目的地が決まっていると少し焦る。まあなんとか行けるか。
阿久根市からは国道3号線を進んでいく。あの山の辺りが県境のようだ。
9:45 ついに熊本県に入場。広い鹿児島県をようやく抜けられた。
みなまた
10:15 道の駅みなまたに到着。おしゃれなショップやカフェがあるきれいな道の駅だ。
大きなバラ園が併設されていたので見に行ってみた。満開の園内にはたくさんの人がいた。
赤だけではなく黄色やピンク、カラフルな花畑が360度広がる。
今はこのようにきれいな花が咲き人々が集うこの場所。実は歴史的に大きな公害問題とかかわりのある土地だ。
道の駅から北西に進んでいくと、海の近くにこちらの建物がある。国立水俣病総合研究センターという施設だ。
その左隣にあるのが、水俣市立水俣病資料館。1993年に開館した資料館で、水俣病の歴史を多くの写真や資料、動画などで伝えている。
じっくり時間をかけて館内を回った。豊かな漁場を有する町で、産業も発展し豊かになっていった水俣市。そこを襲った公害問題。すぐには原因がわからず、苦しむ患者の方々。工場からの汚染だと考えられてからも経済発展を優先し擁護する側の人々。差別や偏見の言葉が飛び交う中で、町が分断されてしまった歴史がよくわかった。
道の駅から海の方向へ広がるこの一帯(地図上の緑部分)は元々は海だった場所である。汚染がひどい広大な地域を13年かけて埋め立てたそうだ。現在はエコパークという名で、公園や野球場など市民の憩いの場となっている。
エコパークの中に慰霊碑があった。静かに手を合わせる。
西の海側はこんな感じ。きれいに光る水俣湾が見えた。
エコパークの東の端に「百閒排水口」という看板が立つ場所がある。
この辺りが、水俣病の原因物質である有機水銀が排水されていた場所。当時はここに約4㎝も有毒な汚泥がたまっていたそうだ。しばらく止まって、上から水面を見つめた。
原因物質を排水していたチッソという会社は今も存在している。事業部分は別の会社に移管し、補償業務を主としているそうだ。
公害問題の代表例である水俣病のことは教員時代にも学んだことがあった。しかし実際にそれが起こった土地を訪れてみると、自分が生まれる数十年前の出来事が現実問題として生々しく感じられた。被害者の方にとっては健康問題もつらかっただろうが、差別や偏見による2次被害も相当なものだっただろう。水俣病に限らず、差別との戦いは今も続いている。
自分も知らない間に差別しているかも…。
そんな意識をもって、個々の問題に自分の考えを持ちたいと思った。
山道を攻略せよ
15:30 水俣川を渡って、3号線を北上していく。
横をロードバイクに乗った子どもが通過していった。後ろから大人がバイクで声をかけながら追いかけている。トレーニングか、それとも罰ゲームか。いずれにせよ将来いいチャリダーになりそうだ。
水俣市からの山道が結構きつかった。息を荒げながらなんとかクリア。
芦北町の穏やかな川沿いを進む。奥に再び山が見えるが気のせいだろう。
気のせいじゃなかった(笑)山道アゲイン。
17:15 道の駅たのうらに到着。
トイレ休憩していると、おっちゃんが差し入れをくれた。天ぷらではないか!しかもこんなにたくさん。ありがたい(T T)
今日はエネルギーがすぐに切れる。さあもうひと踏ん張り!
19:00 八代市の日奈久温泉というところに到着。古くからの温泉街らしい。
今日は頑張ったので、こちらの高級そうな旅館で一泊…できるはずもなく野宿場所を探す。
結局八代市中心部まで来るもいい感じの公園が見つからない。商店街の中に入ってしまい、変な酔っ払い集団に絡まれそうになった。
20:45 なんとか東屋のある公園を見つけ一安心。これだけ旅をしても無計画さは相変わらず。
おやすみなさいzZ Z
八代市までのルート
2023年5月2日【246日目】
阿久根市→八代市
走行距離 94.7㎞
積算距離 12,831.3㎞
後半険しい山道でしたがなんとか乗り切れました。次回もお楽しみに!