ついに迎えた最終日。初日を思い出しながら走っているとまさかの出会いがありました。最後までぜひご覧ください!
思いを背負って
6:30 三田の公園からおはようです!昨日は寝る前に少しインスタライブをしてみた。応援してくださった皆さんに今日ゴールすることを伝えたのだ。
寝袋をくるくると巻きバッグの中へ。マットと看板を愛車に装着する。
毎日のようにしてきた一つひとつの行動が、今日で最後だと思うと尊い。

バッグから日本一周Tシャツを取り出す。書かれているのは出会った方からのメッセージや座右の銘、そして将来の夢だ。今日はそんな皆さんの思いとともに走りたい。
さすがに6枚着ると暑いので、1枚ずつ着替えながら進むことにした。

ところどころでビデオを回し、各地域で出会った皆さんに感謝の気持ちを伝える。まずは四国・山陽から。
「とりあえず四国を回ってから…」
そうして始まったこの旅。四国の途中でつけた「おはなしきくたび」の看板が多くの出会いにつながった。特に印象深いのは広島の福山の方々との出会いだ。
四国・山陽で出会った皆さん、ありがとう!
今日は三田市から南下し有馬温泉の横を通って神戸に出る。どうして神戸に出るかは後ほど。

順調に進んだが、有馬温泉の手前で急にお腹の調子が…。急いでトイレを探し回った。
ベンチで休んでいると今度は蚊にやられ…。
なんで最後の日までこんな…(笑)
気を取り直して次のTシャツに着替える。

続いては北海道Tシャツだ。去年の夏の1か月お世話になった。他の地域では見られない長い道と広大な自然の景色。後半はスマホが水没しかなり冒険したが、今では良き思い出だ。
北海道の皆さん、ありがとう!
出発の準備をしている時、散歩中のご夫婦と話した。「今日で最後」ということを伝えると、感激して旅のことをいろいろと聞いて応援してくれた。
初日とつながる道

10:30 鳥取で出会った喫茶ミラクルのオーナーさんがいるアトリエへ。さまざまな人が集まり、コミュニティを築いている場所だった。

この間お別れしたばかりだが、こんなに早く再会できるとは。またどこかで!
そのまま南下し神戸市長田区に到着。日本海側から縦断することに成功した。有馬温泉あたりで多少のアップダウンはあったものの、昨日の坂道がうそのように走りやすい。

鉄人28号のモニュメントがあったので記念写真。こちらは震災から復興したことを記念して造られたものだ。近くにいたご夫婦が「頑張って!」と応援してくれた。

今度は東日本地域のTシャツに着替える。北陸や東北で出会った皆さんの顔が浮かぶ。
関東の旅は寒さも重なり気持ち的には一番悩んだ時期だった。それでも後押ししてくれる人たちがいて頑張れた。東海でのキャンプ旅も良かった。滋賀で雪道を押して歩いたのも懐かしい。
東日本の皆さん、ありがとう!

15:00 こうべ花時計に到着。いつの間にかこんな時間。日があるうちに着けるだろうか。
花時計があるのは神戸三宮フェリーターミナルの近くだ。日本一周の1日目、大阪から神戸まで自転車で走り高松行きのフェリーに乗ったまさにその場所である。
初日にここ着いたときは安心したなあ。

大阪まで伸びる国道2号線の看板が見えた。わざわざ神戸に来たのは、初日と同じルートを走りたかったからだ。
あの時は夜だったが、それでも懐かしい景色がいろいろと現れる。

旅中初めて食べたご飯はこのすき家だった。牛丼を食べながら「今ならまだ帰れる、いや…」と葛藤していた。
牛丼屋から少し進み、信号待ちをしていた時だった。振り返ると後ろにチャリダーが一人いた。前を向いたが、何かを感じてもう一度振り返る。
え!おんなじチャリや!
なんと後ろにいた方の自転車は自分のと同じだった。思わずその人に声をかける。県内に住む高校生で最近自転車を買い、嬉しくてサイクリングに出かけていたそうだ。
よかったら一緒に走りませんか?
彼は快くOKしてくれた。信号で止まるたびにお互いのことを話しながら進んだ。彼の自転車はピカピカ。楽しそうにこぐ姿を見て、愛車を買った時のことを思い出した。
自分もこれ買った時、嬉しくて遠出したなあ^^

彼は橋の上で動画を撮ってくれた。自分が走る姿を人に撮ってもらえることはめったにないので、めちゃくちゃ嬉しかった。

結局尼崎まで一緒にこいだ。コンビニでアイスを買い立ち話した。今日は須磨まで行ったがネックレスをなくし探し回ったそうだ。彼は言った。
「でもそれがあったからこうして出会えました!」
おいおい、旅人みたいなこと言い出したな(笑)
最終日にまさかこんな出会いがあるとは。まるで最初からこうなることが決まっていたかのよう。彼を見送った後も、しばらく気持ちがふわふわしていた。
始まりの場所

次のTシャツに着替える。この1枚は日本一周中のものではない。途中で行ったフィジー留学で書いてもらったものだ。単なる語学留学のつもりだったが、長く付き合える仲間やたくさんの現地の人に出会えた。まるで旅をしているようだった。
日本一周中も仲間に再会でき、旅を最後まで応援してくれた。どうしても感謝の気持ちを伝えたい。
フィジーで出会った皆さん、ありがとう!
17:30 淀川にかかる十三大橋を渡る。

この先は大阪市の中心部。徐々に旅の終わりが近づく。ゴールしたいようなしたくないような…そんな感情。

橋の上で何人かと話した。皆に同じ質問を受ける。
「どっから来たん?」
「大阪」と答えると、その後の反応も同じだ。
「おー!これから頑張りや!」
まさか今日で終わりとは思うまい(笑)このやり取りを繰り返し橋を渡り終えた。この先にはどうしても寄りたい場所がある。

JR大阪駅だ。初日にここで旅の最初の写真を撮った。いわば始まりの場所。あの時は暗い中、人がいない間に自転車だけ撮った。

今回は歩く人に声をかけて、愛車と一緒に撮っていただいた。うん、我ながらいい笑顔^^
旅の終わり

こちらのTシャツは九州旅のもの。ご飯はうまいし、あたたかい人にたくさん出会えた。
九州の皆さん、ありがとう!

最後に山陰で出会った方へ。旅の終盤、疲れがたまってきた中できつい山道が多かった。でも、奇跡的な出会いに救われた。
山陰の皆さん、ありがとう!

ゴールまでは最後に作ったこちらのTシャツで向かう。
祖母の家に寄ってスマホを少し充電。最後まで段取りが悪い(笑)祖母たちにあいさつして再出発した。
20:00 自宅までの最後の角を曲がる。すっかり夜になってしまったが、家族が待ってくれている。ゆっくり自宅まで歩く。
そしてついにその時が…

ゴーーール!!
家族が用意してくれたゴールテープを切った。
その瞬間はまず「帰ってこられた」という気持ち。そしてすぐにこみあげてくるものを感じた。
はぁ、終わったな。
涙があふれた。

2022年5月6日に始まった日本一周旅。282日もかかってしまったが、ようやく終えることができた。

テーブルには最高の手料理が用意されていた。お菓子作りが上手な弟は特製ケーキを作って待っていてくれた。

30歳で仕事をやめ旅に出てから、たっくさんの人に出会えた。この年でこんなに人間関係が広がるとは。
出会ってくれたみなさん、ここまで応援ありがとうございました!
大阪までのルート
2023年6月18日【282日目】
新三田市→大阪
走行距離 89.4㎞
積算距離 14,455.3㎞

ここまで自転車日本一周ブログにお付き合いいただき、ありがとうございました!次回以降も旅の記録や旅を終えて感じたことを書いていきたいと思います。お楽しみに!

