大阪を出て12日目。青森からフェリーに揺られること4時間。ついに北海道に上陸しました!北海道1周は約3000km。期間は1か月。いち都道府県とは思えない広さです(笑)30歳一人旅、北の大地での冒険が始まります。
それでは行ってみましょう!
ピエロの町に上陸
5:50 フェリーの人にたたき起こされる。四角い枕に首を90度にして寝ていた。目をこすりながら甲板へ。朝日に浮かぶ町が見える。
自転車を縛る縄をほどく係りの方が声をかけてくれた。
「頑張って!」
6:00 自転車とともに下船。ついに北海道の地を踏む。
ここが北海道。ついに来たぞ!!
心が静かに興奮し始めた。だがドキドキと不安が交互に来る感じ。これから約1か月の孤独な戦いが始まるのだ。
札幌や小樽には観光で訪れたことがある。ここ函館にも電車旅で来たことがあった。
まさかそこに自転車で来るとは夢にも思わなかった。とりあえず函館駅の方へ。
函館駅に到着。写真をお願いするのには少し慣れてきた。フェリーではあまり寝られずご覧の表情(笑)
とりあえず朝ご飯やな。
函館にはご当地のハンバーガー屋さんがあるらしい。
ここやな。ラッキーピエロ。名前からしておもしろそう。入ってみる。
おお!これがラッキーピエロ。
店内はこんな感じ。なんかレトロな喫茶店みたい。
ライトも壁紙もおしゃれだ。
ハンバーガーが到着。メニューはいろいろあったが、とりあえず一番人気のチャイニーズチキンバーガーのセットを頼んだ。
チャイニーズ…。函館スペシャルとかじゃないんや(笑)
でか!
ずっしりと手に伝わる重量感。あふれそうなチキン。
うま!
これはファンになりそうなお味だ。店内は地元の方や大きなバッグを持った観光客でにぎわっている。ラッキーピエロは1987年創業。函館を中心に道南地域に17店舗を展開している。もはや函館はピエロの手に落ちているらしい(笑)
各店舗ごとに見た目やメニューに特色があり、中でも札幌までの道沿いにある総本店がすごいらしい。楽しみだ。
函館観光
11:00 函館山の近くにやってきた。
おー!なんか坂の上にすごい建物が見える!
ここは元町公園。奥にはレトロな建物が建っている。
右側の建物は旧函館区公会堂。左の水色の建物は旧北海道庁函館支庁庁舎だ。
とりあえず記念写真。観光客の方が撮ってくれた。相変わらず首が長い(笑)
こちらは旧イギリス領事館。
1854年、アメリカからペリーが来航した時に下田とともに開港した函館。以後さまざまな文化が取り入れられ、洋館や教会、和洋折衷の住居などが作られた。見どころ満載の観光スポットである。
出会いの始まり
うまそう。世界で2番目?…1番が気になるわ(笑)
と心の中で思いながら立ち止まっていると、店の前に集まっている高校生たちが話しかけてきた。
え?日本一周してるんですか!?初めて会いました。すごい!
YouTubeとかしてるんですか?
関東から修学旅行で訪れたらしい。残念ながらゆYouTubeはしていない。
すみません、YouTubeはしてなくて…
そう言うと2~3人は離れていった(笑)
じゃあまた…
別れを告げて自転車を押し始めたが、さっきの高校生のうちの一人が後をついてきた。
大阪からどれくらいかかったんですか?
なんで一周しようと思ったんですか?
興味津々のようだった。自転車を再び止めて話をした。旅人に憧れているようで目がキラキラしている。
ま、まぶしい。
何かに憧れる目というのはこんなにもまぶしいのか。旅人は実際はそれほど楽なものではないし、ずっと楽しいわけでもない。自転車旅なんかはほとんど坂を上っている時間な気がする。
話を終え、彼はお礼を言って高校生集団に戻っていった。今まで誰かに憧れられるようなことはなかった。北海道での出会いの始まりだ。
この高校生のためにもひとまず北海道を一周!
気持ちが少し固まったような気がした。
おしゃれな倉庫が見えてきた。
赤レンガの倉庫だ。現在は中にいろんなお店が入っているようだ。
お土産さんには入ったが、他の店は旅人にはおしゃれすぎる店ばかりだ。周囲を回ってみることにした。
おー!なんかいい感じに撮れた。
iPhoneの角度を変えて何枚か撮影していると、観光客の方に声をかけられた。
関西からお越しの方だった。偶然にも学校の先生をされている方。同業だと話がすぐに盛り上がる。
「なんでやめたの?」急に鋭い質問が飛んでくる(笑)
まああんなことやこんなことがありまして…。
はっきりと答えられない自分がいた。やめた理由はある。だがその時の自分に胸を張って「よくやめたな!」と言えるような今の自分がいるだろうか。しゃべりながらそんなことを思った。
北海道一周スタート
今日は函館から国道5号線を通って少しでも北へ進む。宿はとっていない。テントを張れるスペースを見つけて快適に野宿したいものだ。
16:00 函館を出発。
さらば函館。また一月後に会おう!
函館を出てすぐに車の方が声をかけてくれ、飲み物とカンパをいただいた。
「これから一周?がんばりや。」フランクな方だった。北海道の方は旅人慣れしているのだろうか。
17:00 道路沿いにポツンとある沖縄そばの店を見つけた。
くぅ…。沖縄そば、なんか今無性に食いたい。
北の大地で南の飯を食うとは(笑)入ってみる。きれいな女将さんが営む店だった。
着丼。あっさりとしたスープに分厚い豚肉。最高や。
奥では別の女将さんと子どもの演奏会が始まった。三線の音色と太鼓の力強い音が店内に響く。
ここは沖縄か…。
おっとあぶねえ。北の大地から南の島に浮気旅をするところだった。日本一周ということは南は沖縄まで行くことになるのだろうか。想像もつかない。
お店を出ると、お客さんだった方が待っていてくれた。サーターアンダギーにお土産のスルメイカをいただいた。
先ほどの女将さんともパシャリ。北海道一周すてきな始まりだ。
木製シングルベッド
ここが総本店か。ラッキーピエロの総本店はきらびやかなネオンを放っていてすぐにわかった。ここではハンバーガーだけではなく、オムライスやステーキ、焼きそばといろんなメニューを味わうことができる。暗くなってきたので先を急ぐ。またゆっくり来よう。
18:00 道の駅についた。
たくさんのキャンピングカーだ。さすが北海道。車中泊してはるんかな、憧れる。
今日いただいた飲み物。今日はそれほどのどが渇かずほとんど飲まなかった。ただ飲まなければ荷物が増えていくだけだ。寝る前に1本飲み干した。
20:00 ね、ねむい…。
乗っている間は感じなかったが、自転車から降りた瞬間、すごい眠気だ。
昨日は13時間こぎ、ろくに寝ずに函館までやってきた。今すぐにでも寝られそう。今日はこの道の駅にしよう。
芝生にテントを出そうとした。が睡魔が襲う。
あかん、眠い。
ついでにテントを立てるのもめんどくさくなってきた。
人おらんし、ここのベンチに寝袋しいたら…
マットと寝袋を置いてみる。大きさが木製のベンチに完璧にフィットした。
もうベッドやん…(笑)
そう感じた時にはもう寝袋の中にいた。初めてベンチに寝袋で眠る夜。大丈夫、ここは北海道だ。自分のことを知っている人は皆無。人々の視線などは関係ない。
「木製のシングルベッド」が体を包み込む。
四国で初めてベンチで寝てみた時のことを思い出した。
あのときは全然寝れんかったなあ…。
おやすみなさい。
森町までのルート
2022年 7月6日【54日目】
函館市→森町
走行距離 64.2km
積算距離 3,199.1km
やってきましたね北海道!一周は約3000km。ほんまに自転車で回り切れるんですかね(笑)果てしない道に長い坂、そして獣。これから想像を絶する旅が始まります。気長にお付き合いください。