朝の出会い

5:00 鳥取の琴浦町で起床。タコのオブジェの立派な遊具が迎えてくれた。
今日も体の節々が痛む。最近は寝ても寝ても疲れが取れない。旅の限界が近いのか。

せっかくなので少し遊具で遊んだ。これくらいの規模の遊具子どもの頃はたくさんあったが、最近は減ってきた気がする。

道の駅のレストラン前でおっちゃんに声をかけられた。
北海道をロードバイクで回った話がおもしろかった。熊が出てきそうな道では爆竹を鳴らしながら走ったらしい。インドに行ったときは変な場所でバスを降ろされたことがあったそうで…。朝から元気の出る話ばかりだった^^
コナンの町
今日はまず現在地から東へ10㎞のところにある観光地をめざす。昨日の水木しげるさんに続き、ある国民的アニメ作者のふるさとが近くにあるのだ。

8:00 北栄(ほくえい)町に到着。そう、ここはコナンの作者青山剛昌さんの生まれ故郷だ。
県道167号線と320号線は「コナン通り」と言われ、周辺にコナンにちなんだものがこんなにもたくさんある。



水木しげるロードの町おこしのやり方と似ている感じがするが、とりあえず見て回る。

コナン大橋を渡って海側の地域へ。

新一の家があった。きれいな家なので一瞬気づかなかった。そういえばこんな家だったか。

表札には工藤と書いてある。

近くには平次と和葉もいた。どこの像も結構リアル。

敷地内にお店がある。「喫茶ポアロ」…どこかで聞いたような。作中では毛利探偵事務所の1階にある喫茶店だった。

ベンチに座っていたコナン君と記念写真。
いや、座らんのかーい!(笑)

おっちゃんにも会えた。居眠り中のようだ。おっしゃーオレも一緒に推理しまっせ―!(笑)

マンホールまでコナン。両サイドのキャラクターはいったい…(笑)

最後にあがさ博士が乗った車も登場。少年サンデーのナンバープレートがかわいい。
倉吉の白壁土蔵群へ

10:00 海沿いの国道9号線に戻る直前、1本隣の農道を走っていた時だった。スプリンクラーが勢いよく回る場所が。これは確実に濡れる(笑)しかしここで育てている作物は何だろう。人の高さ位の支柱がたくさん立っていてツルが巻きついている。
近くに住むおっちゃんと話した。この辺りで育てているのは長芋だそうだ。11月ごろに収穫する。おっちゃんは飛んでくる水を上手に避けながら進んでいった。
よし、行くか。
戻るのも面倒。覚悟を決めて進む。まあまあ濡れました(笑)

10:40 倉吉市のガストへ。

牛丼屋以外で牛丼初めて頼んだ。味はぼちぼち(笑)
ブログを書くことにはまり、進むことを忘れて作業に没頭。書きたい題材は山ほどある。

14:00 倉吉市中心部へ。海沿いの国道からは内陸に入ったところにあるが、この街も少し走ってみたかった。

倉吉は室町時代から打吹(うつぶき)城の城下町として栄えた。現在も江戸後期から明治にかけての古い建物がところどころに残っている。

特に有名なスポットはこちらの白壁土蔵(しらかべどぞう)群。

かつて酒蔵や醤油屋として使われていた土蔵は現在ショップやカフェ等にリノベ―ジョンされている。白壁と川にかかる一枚岩の橋が特徴的。

そしてもう一つ目をひくのが赤瓦だ。石州瓦(せきしゅうがわら)という島根の石見地方で生産されている粘土の瓦が使われている。山陰地方ではよく見られる瓦らしい。

15:00 倉吉駅へ。

立て続けに飲み物の差し入れをいただいた。この組み合わせはありがたすぎる!
久しぶりの同志

鳥取市に向けて再スタート。

海沿いの道はこんな感じ。くねくねと曲がり、時折内陸を走る。

きつい坂道を前に気合を入れるため自撮りしている時だった。後ろから同じような自転車の旅人が近づいてくる。

東京から日本一周旅をしている方だった。「前から来た旅人とばったり」ということが多かったがこのパターンはあまりない。チャリダーの同志と出会うのも久しぶりだ。嬉しくなって記念写真を撮った。

こちらが彼の自転車。クールでおしゃれな旅の自転車だ。私の方が旅の日数は多いが、彼は落ち着いていて旅慣れた様子。醸し出す雰囲気が大人っぽくてかっこいい。

カメラも得意な彼。こんな坂道の途中で撮影会が始まった。よし、カメラ始めよう!(笑)
彼の方が馬力がありそうなので先に行ってもらった。次はどこで出会えるだろうか。

坂を上った先には展望スペースがあった。鳥取市の中心部までは残り20㎞。行けるぞ!
喫茶ミラクル
くそう!もう少しやのに!
17:20 展望台から少し進んだところで突然大雨が降ってきた。近くのファミリーマートに一旦避難。コンビニには見覚えのある自転車が一台止まっていた。先ほど出会った旅人だ。なんだ彼もここで立ち往生か(笑)

コンビニの中へ。するともうひとかた避難者が。おい、そこをどいてくれ(笑)

こんなに早く再会できるとは。今回はありがたい自然のいたずらか。イートインスペースをお借りし、お互い作業をしつつ旅話をした。

雨は一向に止む気配がなかった。コンビニに入ってから2時間、3時間と時間がたっていく。さすがにここでは寝られない。
タイミング見て進むしかないか…。
座ってばかりも疲れるので、ときどき自転車のもとに行っては様子をうかがった。すると、たまたま外に立っていたタイミングで声をかけてくれた方がいた。大工の仕事をしながら近くで喫茶店もやっているという人だ。
「よかったら、喫茶店に来ますか?泊ってもいいですよ!」
へ?これは夢か現実か。

21:30 教えてもらった喫茶店へ。
浜村という駅の近くにある店。

ドアの横にはおしゃれな看板。週3日の営業で18時から23時までしか開いていないそうだ。

梅酒と特製の鮭のご飯を出してくださった。うまい!

本業の傍らコツコツ作り上げた喫茶店の内装。かっこいい。
名前の由来やここに居候することになったもう一人のスタッフの方の経験など遅くまで聞かせてもらった。

奥の空き部屋に暖かい布団が用意されていた。まぶたを閉じるとあっという間に深い眠りへ。

雨の夜に起こった本当にミラクルな出来事。これだから旅はおもしろい。
鳥取市浜村までのルート
2023年6月15日【279日目】
琴浦町→鳥取市浜村
走行距離 50.5㎞
積算距離 14,143㎞

「喫茶ミラクル」…いつ聞いてもいい響きですね。この出会いにつながって次回もミラクルは続きます。お楽しみに!

