旅2日目の夜。人生初の寝台列車はまさかのウズベキスタンでした(笑)これがなかなかおもしろい体験だったのでレポートします!
チケットをゲットしたはずが…
ウズベキスタン2日目の夕方、ウルゲンチ駅に到着した。目的は寝台列車だ。列車で1泊しながら、東の大都市サマルカンドをめざす。
ウルゲンチからサマルカンドまでの距離は600㎞以上。東京から岡山あたりまでの距離と同じくらいだ。飛行機という手段もあるが、調べているときに寝台列車の文字を見て乗ってみたくなった。
ウズベキスタンの寝台列車は日本からでも予約ができる。日本でもかつて多くの寝台列車があったそうだが、今はかなり数が減っている。列車で寝られるというだけでわくわくする^^
ウルゲンチ駅の隣の建物でチケットが受け取れるらしい。
チケット売り場には人が殺到していた。受付で英語は通じず、何度も順番抜かしされたがなんとかゲットした。
ボディチェックを終え、駅の中に入る。列車が来るのを待つ人で混雑している。
発車時刻まで30分というところで、周囲の人がチケットにスタンプのようなものを押してもらっていることに気がついた。
係りの方のもとへチケットを持っていく。係りのお姉さんがチケットを見ながら首をかしげる。
お姉さんが言う。
「これサマルカンドからウルゲンチのチケットになってるよ!」
え?そんなはずは…。
だがチケットを見ても何が書かれているのかさっぱりわからない。時間がないのでとりあえずさっきのチケット売り場へ急ぐ。
またやり直しだ。もう一度列に並び、順番が来るのを待つ。
あー、お願いやから順番抜かしさせてくれ。
内心そんなことを思った。
売り場のおじさんに身振り手振りで伝える。やはりお姉さんの言う通り、間違っていたようだ。無事ウルゲンチ発サマルカンド行きのチケットに変えてもらい、駅へ急ぐ。
駅の前で2回目のボディチェック。
おい、あんたさっきも俺のボディチェックしたやろう(笑)
家族との列車時間
スタンプを押してもらい、列車が待つホームへ。すでにほとんどの客は乗り込んでいた。
列車に乗り込み、チケットに書かれた番号を探す。するとスタンプ押しのお姉さんが車内まで追いかけてきた。Phone number! と叫んでいる。なぜか自分だけ紙に電話番号を書かされた。怪しい人に見られたか、日本人一人で心配されたか…とにかくベッドを探す。
ベッドは2段ベッドの上の段だった。とりあえず寝ころんでみたが、めっちゃせまい。
完全にこの態勢が決まっている。
え?これで寝るん? 12時間やで、え?いける?(笑)
一人でパニックになっていると向かいの家族がシーツの敷き方やくつろぎ方を教えてくれた。気がつくと、列車内の人がみんな通路に顔を出してこっちを見ている。ああ、恥ずかしい(笑)
向かいの家族は現地の方でご夫婦と赤ちゃんが一人。自分のベッドの下にはその親戚とみられる方もいた。
家族は日本のことを「ジャポン」と呼び、いろいろと質問してくれた。おそらく日本でしている仕事のことや家族のこと、どうして一人で旅をしているのかなどを聞かれていた。現地の言葉だったので、身振り手振りと表情で乗り切る。
一緒にお菓子を食べたり、赤ちゃんの世話をしたり楽しい時間だった。だが途中から横にいるおばちゃんがやたらと距離をつめてくる。もちろんスペース自体がそんなにないし、車体が結構揺れるので仕方ない…と思っていた時だ。
「一緒に寝ましょう。」
おばちゃんが明らかにそう言ってベッドを指さす。家族は止めるどころか結婚の話を始めた。
「日本人と結婚できるなんていいなあ。」「あなたはパートナーはいるのか。」
おそらくそんな会話だ。何やこの展開は(笑)
周りの客も加わって「彼女と結婚はどうだ?」とすすめてくる。
おばちゃんは結構しつこい。
「私は大丈夫、あなたはわたしが好きか?」
おばちゃんの攻撃力が半端ねえ。
おいおいウズベキスタン。おもしろすぎるぞ(笑)
そんな攻防は夜遅くまで続いた。
23:00 ベッドに上がり眠りにつく。おばちゃんは若干すねているが放っておこう。
ウズベキスタン人の国民性
列車の揺れはかなりひどく、赤ちゃんは夜泣きをしてしまう。ぐっすり眠るのは難しかった。昨日から今日までの行程を振り返りながら窓の外を見つめる。まだ2日ほどだが多くの出会いがあった。
初日の町の案内人シャブカット。タクシードライバーともめたおっちゃん。昨日の英語教師ローズ。そして今日の列車での出会いだ。
だんだんとサマルカンドは近づいている。少し寂しくなってきた。
言葉は通じへんのに、なんでこんなにもてなしてくれるんや。日本人やからか?何か歴史的な要因があるのか?
おそらくそんなことは関係ないのかも。きっと彼らがもつ国民性。困った人がいたら声をかけ助ける。対価は受けない。
翌7:34 到着。
すてきな家族との列車時間だった。たまには陸路で長距離移動もありやな。
列車を出るとき、向かいの赤ちゃんに折り鶴をあげた。となりの部屋にいた女の子にも。えらそうだが、もしかしたら彼らにとって初めて日本人とつながった瞬間かもしれない。それは自分も同じ。
すてきな出会いをありがとう。
家族に手を振った。
別れを惜しみながら駅に降り立つ。そこは雨のサマルカンドだった。
寝台列車最高でした!ウズベキスタンは結構交通網が発達しています。ぜひ活用してみてください。次回は念願のサマルカンド観光です^^
NEXT↓↓↓