大田市の観光地

6:20 島根県大田市の公園で起床。なぜか昨日から誰かの水筒が2本放置されている。
今日はまずここから約30㎞先の出雲大社をめざす。

7:50 ここです、ここです…主張激しめの道の駅の看板があった。寄ってみよう。

寄ってみたものの営業時間は9時から。観光用の地図でも見てみようか。おもしろそうなスポットを探してみると海沿いに掛戸松島という場所があった。早速行ってみる。

こちらが掛戸松島。一見すると左から右の海に向かって川が流れているだけの場所。しかしその成り立ちがおもしろかった。

説明書きを読んでみる。昔この辺りには波根湖という大きな湖があり、増水期にたびたび氾濫していたそう。そこで鎌倉時代に千数百人の人手で7年かけてここを切り開いたそうだ。

つまり今海に向かって流れている場所には壁のような山があったということ。それを700年も前の時代に人の力で開掘したというのか。すごい大事業。
上空から見るとこんな感じ。田畑が広がる地域は1950年以降に湖が埋め立てられ干拓された地域。その北側に掛戸松島が位置している。

少し東に進むと砂浜が広がる海水浴場がある。ここから見えるのは日本遺産の立神岩だ。

日本列島が形成された時代の火山活動の影響でできた地形らしい。直立した大きな岩ときれいな地層が遠くからでも見える。
出雲市の見どころ
手引ヶ浦台場公園

8:40 出雲市に入った。

海沿いに大きな東屋があったので寄ってみる。中に何かあるようだ。

大きな大砲だ。幕末の頃、松江藩が外国船の襲来に備えて設置した洋式大砲が復元されている。

目の前には美しい岩の地形と日本海が広がる。

近くにはきれいなアジサイが。

時間を忘れて何枚も写真を撮った。
くにびき海岸道路

この辺りから道は北(写真の左側)へ弧を描くように曲がっていく。あの先に今日のメインの立ち寄り場所、出雲大社がある。

9:20 道の駅キララ多岐でトイレ休憩。

大きなモニュメントの近くで、観光に来ていたご夫婦と話した。

道の駅から道が二手に分かれる。一つは9号線。これまで海沿いを走っていたがここから内陸に向かっていく。もう一つがくにびき海岸道路。写真のように出雲大社に向かって海沿いを走る道で、景色がとても綺麗でおすすめ。

このように広い歩道が整備されている。

出雲大社の文字が見えてきた。さあもうすぐ!
稲佐の浜

出雲大社近くになると、海沿いに稲佐の浜と書かれた看板が見えてくる。

こちらがその浜。毎年10月、出雲大社の大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)のもとに全国の八百万の神様が集まるとされている。全国的には10月は神無月と言われるが、出雲では神在月(かみありづき)と呼ぶのは有名な話。その時に集まった神様たちが出迎えられる場所がこの稲佐の浜なのだ。

浜から出雲大社の正面の二の鳥居までまっすぐ伸びる道は、集まった神々が通る神迎の道と呼ばれる。

こちらのスターバックスが見えると、出雲大社正面の鳥居は目前。
出雲大社

11:10 出雲大社に到着。正式名は出雲大社(いづもおおやしろ)と言うらしい。

参道の右手の祓社(はらえのやしろ)で身を清め、松の参道へ。

参道右手には大国主大神が縁結びの神様になられた様子を表すムスビの御神像がある。

手と口を清め拝殿の前へ。戦後最大の木造神社建築と言われる出雲大社の拝殿。参拝は他の神社とは異なり「二礼四拍手一礼」で行う。

拝殿から右側にある道を進み奥へ。

その際左側に見えるのが出雲大社の御本殿だ。1744年に再建されたもので高さは24m。御神体は稲佐の浜がある西(写真の反対側)を向いて鎮座されている。御本殿は平安時代には倍の高さの48mあったと言われている。

御本殿の裏側には、大国主大神の父神とされる素戔嗚尊(すさのおのみこと)を祀る社がある。

そのまま反時計回りに進み御本殿の西側へ。

こちらの看板がある地点がご神体と正面に向かう場所。ここでも参拝をする。
「神様!縁結びありがとうございました!」
縁結びお願いします、ではなく感謝の気持ちを伝えた。この旅では十分すぎるくらい縁に恵まれ、いろんな方や美しい景色との出会いに結ばれた。あ、あとおいしい食べ物にも(笑)

さらに西側へ歩くとひときわ大きな建物の出雲大社神楽殿(かぐらでん)がある。

神楽殿正面に全国的にも有名な巨大なしめ縄が。

長さは13.6m、重さ5.2tというとんでもなく大きなしめ縄。支えている柱や縄の方がすごいなと感じてしまう。

神楽殿自体も巨大な建物。1981年の造営で中に270畳の大広間があり、祭典のほか結婚式も行われる。

旅中に全国でさまざまな神社仏閣を回ってきたが、出雲大社はとにかく何もかもが巨大な印象。
旧大社駅

12:30 出雲大社から南へ少し行った場所に古い線路跡があった。
ここは旧国鉄大社線の大社駅。

現在は工事中だが、ここには国の重要文化財に指定されている駅舎がある。駅舎で指定されているのは東京駅丸の内駅舎と門司港駅舎と合わせ、全国に3か所しかない。そして和風建築はこの旧大社駅のみである(他の二つは西洋建築)。現在は保存修理中で2025年12月までは見学不可となっている。

ホームに止まっているSLは見学可能。白く縁どられた塗装がおしゃれ。最近地元の小学生が塗装したそうだ。

中にも入れる。おお、かっこいい!
松江城

9号線近くの快活へ。休憩+洗濯の時間。

乾燥機を30分使ったが完全に乾いていないものは自転車にくくりつける。いつものルーティン。

14:30 再出発。今日の宿は松江の少し先のキャンプ場。すでにHPから予約してある。

9号線を東へ進み、松江市に入場。このまま宍道湖(しんじこ)の南側に沿って走っていく。

左手に宍道湖が見えてきた。全国で7番目に大きく、豊富な種類の魚が捕れることで有名な湖。

宍道湖大橋を渡って松江市の中心部へ。今日最後に寄りたい場所はこの先にある松江城だ。

こちらがその松江…いや違う。こんな近代的な建物のはずがない。マップで確認すると島根県庁だった。石垣の上にあるので、かつて城の関連施設があった場所に建てられているのだろう。

16:30 自転車を駐輪場に置き、千鳥橋という小さな橋を渡る。

するとすぐに古風な洋館が見えてきた。こちらは興雲閣という明治時代に建てられた迎賓館。

中は無料で見学できた。実はこういう明治から大正期の建物がわりと好き。

先ほどの和風建築の駅舎もかっこいいが、洋風の建物も見ていて感心する。

洋館と言っても瓦屋根や畳、木製の天井など和洋折衷な感じが特にいい。

こちらが松江城。熊本城のようなかっこいい黒の見た目。

2015年に国宝に指定されている松江城の天守は、全国に12しかない現存天守の1つ。一国一城令や自然災害、そして度重なる戦火を乗り越え現代まで残った貴重なものだ。うん、かっこいい。

松江城の北側には築300年近い建物が並ぶ武家屋敷がある。こちらもゆっくり見てみたかったが17時で閉館してしまったようだ。
十神山なぎさ公園

18:10 島根県最東端の安来(やすぎ)市に入った。今日の宿までもうすぐだ。
場所はここ。名前は十神山(とかみやま)なぎさ公園。

安来駅の北、住宅街の小道に看板があった。

結構坂がきつく自転車を押して登る。

19:00 到着。駐車場に「日本一周」と書かれた文字が。この方も同じ日本一周勢か。インスタをフォローしてみた。

指定された場所にテントを張る。海が目の前の絶好の場所。最高だ。

スーパーで買ったパックご飯をお湯の中に投入。「大盛」という文字に惹かれて買ったものの、明らかにサイズオーバー。できあがりにかなりの時間を要した。
横には二つのソロテントが並んでいた。おそらくどちらかがさっきのバイクの持ち主。ここで出会ったのには何か意味があるはず。インスタで連絡してみる。

結局この日旅人から返信はなかった。疲れて寝ているのか、知らない人からのDMで無視されているのか。明日の朝タイミングよく出会えるといいが。
安来市までのルート
2023年6月13日【277日目】
大田市→安来市
走行距離 111.6㎞
積算距離 14,006.4㎞

島根旅が終わりますね。次回から鳥取を走ります。バイク旅人の正体は果たして?

