高知で野宿場所を探す。道に迷い見つけたものは…
竜馬の生まれた町
おはようございます。高知市内の快活CLUBで目覚める。ナイト8時間パックで1780円。この快活CLUBについても後のブログでぜひ魅力をお伝えしたい。さて高知で有名な人物と言えば、やはり坂本龍馬。近くにあった「龍馬のうまれたまち記念館」へ行ってみた。
きれいな施設だ。展示館は300円で見れるらしい。龍馬というと、あの肘を置いたポーズの白黒写真がぱっと浮かぶ。
当時の街並みを再現した精巧な模型や龍馬の生きた時代を追体験できるバーチャルシアターなどがあった。それも良かったが、教科書には載っていない龍馬の写真や資料から、龍馬が周りの人とどのようにかかわっていたのかを知ることができた。桂浜の坂本龍馬記念館でもたくさんの資料が貯蔵されているそうだ。
カツオを探して
まだ大して動いてはいないが、今日も今日とて腹が減る。
「そういえば、市場があったな!」
高知には弟との18切符旅で一度来たことがある。その時の夜、市場でカツオのたたきを買ったのを思い出した。
「高知城。一応見ておくか。」頭の中はカツオのたたき90%、高知城10%。
「ほう。なるほど、なるほどねえ。」頭はカツオのことしか考えていない。
高知城からすぐのところに現れたのは「ひろめ市場」この入り口、懐かしい。
もはや鼻はダウジングマシン。カツオのにおいがする方へ一直線!
市場の名物と言えばこれ!「明神丸」の藁焼き鰹たたき!
カツオたちがファイヤーされているところを間近で見ることができる。
明神丸のカツオファイヤー、ではなく鰹たたき(小800円)と別の店で買った寿司(6貫350円)、ゆずサイダーをいただくことにした。鰹たたきは塩とタレが選べたが、今はタレの気分。
藁のいいかおり、プリプリの新鮮なカツオ「かあー、これは贅沢。」毎日昼にこんなに出費していては、予算が足りないが、今日だけは許してくれ。
ハプニング
お腹も心も満たされたところで、自転車に戻る。何かに気づく。
「破れとるやんけ。」
昨日の長距離が負担になったか。たしかに中身はつめすぎている。がまだ旅は5日目。どうしよう…。
「さすがに買い替えには早すぎる。テープで補強しようか。」
公園のトイレ横でしばらく考える。トイレに行く。自転車に戻る。
すると再び異変に気付く。
「あれ?カッパない!」
昨日お世話になった、というか一度しか来ていないカッパ。安いながらもデザイン性のある所に惚れたカッパ。今日も明日もずっと一緒に旅する予定やったカッパ…。
「風に飛ばされたか?」いや驚くほど無風。「カラスか?」いやカラスは市場の客へ集中している。考えたくはないが取られたとしか…。
気を取り直して先へすすむしかない。高知はかなり広い。それにまだ高知のメインイベントを達成していない。
いざ桂浜へ
次の目的地は、青看板の中央「桂浜」だ。
高知市内からは少し離れた場所にある。どうしてわざわざそこまで行くかというと、自分にとっては聖地のような場所だからだ。あのどうでしょう軍団が原付旅で訪れた場所。
無事到着。
「そうそうこのモニュメント!」番組のロケ当時とは色が異なっているが、形はそのまま。
大泉洋さんとミスター(鈴井貴之さん)の原付旅は、ここでゴールを迎える。まあなんと、自分もゴールした気分。バスのチケットでもとって大阪帰りましょうか!
ておおーーーーーーーーい!
ちなみに前はこんな感じ。りりしいですな。
腹が減ったので、売店でこれを買った。ベンチで食べていると。おじいちゃんが話しかけてきた。
「どっから来たの?」「大阪?すごいねえ。」
茨城からご夫婦で来られている方だった。別れ際に名刺をいただいた。奥さんが言う。「この人世話好きだから!」
旦那さん「茨城来るときは連絡して!」
こんなこともあるのか。話しかけてくれるだけでもありがたいのに。ここでは、ほかにも観光に来られていた方数人とお話しした。
須崎市での出会い
時刻は15時。もう少し先へ進めそうだ。
少し山道をこぐと、須崎市というところに入った。ここの名物は鍋焼きラーメンらしい。
中々開いている店が見つからず、たまたま道路沿いにあった店に入ってみた。店の名は「だるま」お好み焼きがメインのようだ。
店内はこんな感じ。隣には元気のいいお兄さん。奥には常連客だろうか、すでにいい気分になっているおじいちゃんが座っている。
早速鍋焼きラーメン(650円)を注文。
「うまい。」細麺に卵、そして鍋のだしの濃さが絶妙。この鍋器もいいじゃないですか!一瞬で今日の疲れが吹っ飛ぶ。隣のお兄さんが話しかけてきた。
「どっから来たの?」「あ!大阪です。」
「なにで来たの?」「自転車で…。」
「えーーーーーーー?」
大阪人もびっくりのナイスリアクション。しゃべっている間に鍋は空っぽ。いやあうまかった。これは雑炊でもうまいはず…。
はいどーーーーーん!!なんと会話を聞いていた店のおばちゃんが雑炊をサービスしてくれた。
おばちゃんの友だちが昨日、自分の出身の市に用事で行ったそう。なんという偶然。常連のおじいちゃんは近くに住んでいるらしく、野宿場所として良さげな場所をいくつか教えてくださった。
おばちゃんが会計の時に「あ!そうだ!」と言って、くれたチョコレート。旅に出て初めて手で受け取る差し入れ。うれしかったなあ。
野宿場所を探して
おじいちゃんが野宿場所として教えてくれた須崎駅に行ってみる。
「うーん、少し人が。」
もう一つはここ!おじいちゃんが「あそこはよう旅人がテント張っとるよ!」と教えてくれた。
トイレもあってたしかにいい。だが自分のペグ打ちのテントは張れない。ここにきて、どうして自立式のテントで来なかったかと激しく後悔。
自立式のテントって?
ペグを打たずに自立するテントのこと。こんな感じで、フレームをクロスすることによって、硬い地面でも立てることができる。もちろん風があるときはペグを打つこともできる。どこでも簡単に立てられて便利!日本一周勢はほとんどこれで野宿している印象。
自分のはというと、真ん中にポールを立てて形になるワンポールテント。先に何か所かペグを打たないと自立しない。よって立てられるのは、芝生のような柔らか地面のみ!ひよこ隊長が言うように、これで自転車日本一周している人はいるのだろうか…。
まだ、野宿する覚悟ができない。近くにガストがあったので、とりあえず充電を。今日もいい出会いがあった。日記帳に書いておこう…。て「えーーーーー?」
「なんじゃこりゃ!」
そういえば日記帳は雨に当たってから開いていなかった。最後のページに張り付けた目的地のマップもこの通り。「くそう…。」
時刻は21時。ここのガストは0時まで。このままウトウト、気づいたら朝ってことにはならないだろうか。
23時の絶景
23時。「仕方ない、行くか。」先ほどの屋根がある場所へと行く。
「あれ、どこやっけ。」道に迷う。そのとき右になにやら光るものが。
「ビニールハウス?にしてはめちゃめちゃ光っとるな!」
近づいてみる。「何を育ててるんやろう?」
あまりの美しさに息を飲んだ。ビニールハウス相手に飲んだのは初めてだ。
調べてみると、ここ須崎市ではミョウガの栽培が盛んで、夏の夜11時から3時間ほど、ハウスを明るく照らして2度昼が来たかのようにする栽培方法をとっているらしい。ガストで休憩していなかったら、道に迷っていなかったら…見れなかった絶景である。
覚悟を決めて、野宿場所へ。ベンチにマットをしき、寝袋を置く。前には民家が並んでいるが、すでに明かりは消えている。時計を見ると0時近くである。
ベンチに横になる。意外と寝やすい。少し気分がいい。さっきのビニールハウスのおかげだろうか。がすぐに猛烈な孤独感が押し寄せた。目の前に並ぶ民家のみなさんはきっとベッドや布団で寝ているだろう。町のほとんどの人はそうなはずだ。その中で自分はポツンと一人、夜風を受けながら眠るのである。
「野宿ってこんなにも寂しいのか…。」
目をそっと閉じたところで、長い今日が終わった。
須崎市までのルート
2022年 5月10日【5日目】
高知市→須崎市
走行距離 76.7km
積算距離 453.1㎞
ここまで読んでくださって本当にありがとうございました^^
今日は長文になってしまいました。超孤独を感じた初めての野宿でした。
次回もお楽しみに!