ちょこっと岡山入りたい
福山のとあるお宅からおはようです!
よく眠れた?
温かい言葉とともにいいにおいが。朝からこんな豪華な朝ごはん。This is Japanese Asagohanです^^
お世話になったMさんご夫婦に一旦別れを告げる。もしかすると2日後にまた立ち寄るかもしれないのだ。今日は岡山へ行く。まだ未踏の地、ぜひ走っておかなくては。
2号線を九州とは逆方向にこいでいく。大事なことなのでもう一度。九州とは逆にこいでいく(笑)こんなことしていては、いつまでたっても行けない。四国・山陽は九州に向けた、ただの助走だったはずだ。
しれっと岡山に入場。坂道を押しているとおばあちゃんに「がんばりや!」と声をかけられた。横を通り過ぎてからぼそっと。もしかしたらあの方は物語の重要人物だったのか。
岡山は倉敷まで進む予定だ。今日はそこである旅人と会う約束をしている。倉敷市中心部に入る前に大きな川があった。そこにかかる霞橋を渡る。
ここは歩行者と自転車の専用橋になっているようだ。
橋の上でパシャリ。目的地はもうすぐ!
倉敷から留萌へ
倉敷駅前のえびす通商店街で旅人と合流。彼とは去年の夏に北海道の留萌(るもい)で出会った。あの時はへとへとで留萌のキャンプ場にたどり着いて、自分と同じ日本一周の自転車が止まっていたことに安心した。7カ月の時が経ったが、倉敷から留萌へ一気に記憶が戻る。
この辺りでは有名というとんかつ屋さんに入った。
デミグラスソースでいただくとんかつのお味は格別。
彼は見事に自転車日本一周を成し遂げ、今は故郷の岡山で暮らしている。ゴールの瞬間のインスタライブも見届けた。感動的だった。自分も彼のように無事に旅を終えられるだろうか。
倉敷美観地区まで一緒にサイクリングした。彼の自転車には全国各地のステッカーが貼ってある。私のステッカーをプレゼントすると、さっそく貼ってくれた。
留萌でも教育について語り合ったが、今も変わらず彼は熱い気持ちを持っていた。全国でいろんな出会いをしてきた彼なら、きっと数年後すばらしい先生になっていることだろう。
彼と別れ、美観地区を離れようとした時だった。ドイツから来た方に声をかけられた。
俺は世界のぜんぶの新聞に載った!
そう言い放つこの方はなんと、60年前に自転車で世界一周を達成したそうだ。60年前と言うと父が子どもの時か、想像もできない。中国やアメリカを走った話を聞いた。
すごいな!自分もいつか…。
新聞に載るのも世界一周も憧れる。しかしまさかこんな旅人にも出会えるとは。岡山には来るべくして来た。そんな気がした。
倉敷駅から北に約10㎞。総社(そうじゃ)市の河川敷にあるそうじゃ水辺の楽校というキャンプ場が今日の宿だ。無料でテントが張れる野営地のような感じ。他にも車で来ている方が何組かいた。
豪雨の跡
芝生の上で快適に寝られた。さすがに寒さの山は越えた気がする。岡山は少し走れたので、今日はここから福山へ帰る。ついに車輪が九州方向へ向く。
総社市からは昨日走ってきた道ではなく、真備町と矢掛町を通るルートで帰ることにした。違う道の方がわくわくする。
真備町を横に走る「西国街道」を走っているときだった。
この川、大きな工事してるな。
あたりには何もない土地やきれいな住宅が多くみられた。真備町…そういえば聞き覚えがある名前。急いで町の名前を検索する。すると、2018年の西日本豪雨の記事が出てきた。
あ…
うっかりしていた。毎日のようにニュースで見た出来事なのにもう忘れかけていた。当時付近を流れる高梁川と小田川、およびその支流が次々と氾濫。この辺りの地域は水につかり多くの死者が出た。
神社の鳥居の奥に当時の水位表示が見える。
下から50㎝程のところにラインがある。
しかしこの小屋、実は周囲より高い場所にある。水害当時、真備町では水深が最大5mに達したそうだ。
小屋の中には2018年当時の写真があった。
大阪の地元にも大きな川があり、大雨の際、氾濫水位に近づくことがある。しかし、それが実際に町にあふれてくることは想像もつかない。以前の町の風景を知らないのでどの程度復興が進んでいるかはわからないが、今こうして走らせてもらっていることに感謝しながら町を後にした。
帰り道の観光スポット
真備町から国道486号線を通って福山に向かう。途中いくつか観光スポットに寄ったので、紹介しましょう!
まきび公園
こちらは真備町にあるまきび公園。スーパーでお弁当を買い、マップで公園を探したところ発見!入口は独特な造りになっている。
まるで中国の庭園のような感じ。きれいに整備されていて落ち着く公園だ。
奈良時代、この地で生まれた吉備真備(きびのまきび)が遣唐使として中国に渡った。1986年、西安で吉備真備の記念碑と日本庭園が建立されたのを機にこの公園が作られたそうだ。なるほど、それで「まきび公園」なのか。
ベンチに座ってチキン南蛮をいただく。そういえば中国はまだ行けてない。すぐ近くやのに。
矢掛宿
真備町から次の町へ。かなり曇っているが、雨にはなんとかあたらず進む。
矢掛町に入った。
ここは江戸時代から矢掛宿(やかげしゅく)と呼ばれ栄えた宿場町で、参勤交代の際に大名や役人の宿泊場所となった本陣や、本陣を補佐する脇本陣という施設が今も残っている。
こちらが旧矢掛本陣石井住宅だ。広い敷地内に改築はされつつ、当時のさまざまな迎客施設が残されている。本陣に泊まりきれないくらいの大所帯の場合は、ここから400m東にある旧矢掛脇本陣を利用していたそうだ。うん、「本陣」という響きがかっこいい。
嫁いらず観音
矢掛町の西の井原市には有名な寺院があるらしいので寄ってみる。
なんか枝の上にとまってる。
かわいい真っ白の猫さんだった。この猫も物語のカギを握る…RPGごっこはもうやめよう(笑)
到着!こちらは嫁いらず観音院。行基によって開基されたといわれるこの寺院では、1本の石づくりの仏像としては国内最大級の観音様が出迎えてくれる。行基さんは全国いろんな場所で名前を目にするなあ。
嫁いらず観音というのは俗称で、「年老いた人たちがいつまでも健康で、嫁の手を煩わすこともない」というご利益があるそうだ。
たしかに健康は大事だが、現代では「お互い年をとっても手を煩わせ合って」というのが理想かもしれない。
福山の本陣へ
これにて1泊2日岡山旅行が終了!本日の宿へ向かう。
今日は福山のMさんのお宅にもう一度泊まらせていただくことになっている。
おととい来たばかりなのにありがたい。
秘伝のレシピで晩ご飯を作ってくださった。
食卓においしそうなご飯が並ぶ。ご夫婦の温かい心に疲れを忘れる。
ここは私にとっては本陣、お二人の笑顔に癒される宿だ。食卓を囲み、岡山の話や今後の予定を伝える。明日はいよいよ福山を去り、九州へと向かうことになる。
総社市までのルート
2023年2月17・18日【181・182日目】
広島県福山市⇔岡山県総社市
走行距離 110.5㎞
積算距離 9,518.9㎞
岡山を無事走破!いざ九州へと思っていた183日目大ハプニングが起こります。次回もお楽しみに!