名残惜しや福山
おはようです!
ふかふかのお布団でゆっくり起床。
今朝はすてきな朝食にお昼は尾道ラーメンをいただいた!パワー満タン準備完了!
昼食の後、Mさんご夫婦と散歩に出かけた。場所は最初に出会った春日池公園だ。今日もいい天気で、散歩に来た人とたくさんすれ違った。この公園に来て改めてよかったと思う。
駐車場で感謝の気持ちを伝えお別れ。結局2泊もお世話になってしまった。ありがとうございました!
お世話になったあけぼのスタジオさんの近くにあるこちらの美容室にご挨拶。以前スタッフの方と話したことがあった。次回は髪切ってもらおう!
2号線を走る人力車
時刻はすでに午後4時。かなりゆっくりしてしまった。ただ福山を離れるのが寂しいのも事実。西に向かってこぎ始める。
写真スタジオのあたりから約10㎞。とぼとぼ2号線を進んでいるときだった。
あー!!
反対車線に懐かしい乗り物とそれを引っ張る旅人が。
彼は和歌山から日本一周する旅人シュウくんだ。相棒はなんと人力車。ここまで日本のほとんどの地域を制覇し、ゴールの和歌山に向かって走っている最中だった。インスタで連絡を取っていて、近くにいることはわかっていたがまさか会えるとは(笑)
実は彼と会うのは2回目。最初に会ったのは新潟の難所親不知(おやしらず)を越えた時だった。彼を見つけびっくりして、近くのコンビニでしゃべったのを思い出す。
懐かしい人力車と一緒に写真を撮る。後ろには出会った人のメッセージがびっしり書いてある。
私のメッセージもあった。「親不知」間違えとるし(笑)
夕暮れの歩道でしばらく話した。「今日の宿はどうするか」という話になったので提案してみた。
この先にいいお宿知ってるけどどう?(笑)
ダメもとで連絡を取ってみる。相手はあけぼのスタジオのお母さんだ。別れたばかりの旅人のおバカな願いを快く聞いてくださった。ほんとどこまで優しいのか。
で、乾杯(笑)人力車の旅人に驚いていたが、すぐに家族の輪に混ぜてくださった。
シュウくんの話はとにかくおもしろかった。同じ日本一周勢だが、自転車旅や徒歩旅とはわけが違う。歩道が狭くて走れなかったり、後続車におびえながらトンネルを走ったり。ときには「日本一周なんかすんな!」とどなられたこともあったそうだ。これまで数々のトラブルを乗り越えてきた彼の表情はこれぞ旅人。すごいなあ。
部屋で引き続き旅話をしていた時シュウくんが
キャンプやってみたいんです。
と言った。彼と一緒に火を囲んで語り合えたらどんなに楽しいことだろう。急いでキャンプ場を探し、明日行ってみることにした。
鞆の浦撮影会
朝7時。まだ太陽さんが昇り始めて間もない時間に、スタジオのお父さんが鞆の浦に連れて行ってくださった。
地元の方と行くと、鞆の浦のことがより詳しくわかる。
港の出入口にある「波止」と呼ばれる防波堤、潮の干満にかかわらず船つけできる石階段「雁木(がんき)」。そして、港に出入りする船を見張った「船番所跡」や船の修理を行った「焚場跡」。鞆の浦ではこうした貴重な港湾施設を見ることができる。
常夜燈の前で写真を撮ってくれるという。
うおーいい写真!
カメラマンの背中はかっこいい。朝早くからありがとうございます!
スタジオに戻り、人力車とともに出発。これで何回目の別れのあいさつだろう(笑)
いってきます!
愛車最大の危機
今日予約したキャンプ場はフォレスタ!早島町ふれあいの森公園だ。早島町は岡山県にある。そう、なんと私またもや岡山に向かうことになった(笑)近くに焚き火できそうなキャンプ場がなく、人力車の彼は東へ向かうためここがベストだった。
彼には後からゆっくり来るよう伝え、先に行くことにした。キャンプ場までは45㎞以上ある。人力車での移動は大変だ。
以前通った橋をめざしている時だった。前から来た人をよけようとハンドルを少し左に切る。すると、
ゴンッ!
少し出っ張った壁に前輪からぶつかり、転んだ。一瞬のことだったのでよくわからないが、一回転して左から地面に倒れたようだった。
痛えぇ・・・
左半身に走る痛み。手からは血が出ていた。荷物は散乱し、自転車は後ろに倒れている。
またやってもうた。
自転車で転ぶのは初めてではない。とりあえず生きているが、今回は体が結構痛い。特に痛むのが左肩と左ほほで、左肩は全然上がらなかった。ヘルメットに傷はあったが、かぶっていたおかげで頭は無事だった。
なんとか行かんと…。
自転車を起こしてみる。今日は楽しみにしているキャンプだ。散乱した荷物を集め、自転車にまたがる。そして前に進んでみる。しかし、
あれ?
何かおかしい。タイヤが回らない。車輪をチェックする。すると前輪のフォークが曲がり、フレームにめり込んでいた。
………。
言葉が出なかった。しばらく呆然とする。さすがに今回はやばい。
20分程たっただろうか。手から出る血を抑えながら、近くの自転車屋さんを調べた。調べながら薄々、今日中の修理は難しいと感じた。
1㎞先に小さな自転車屋さんがあった。とりあえずそこに向かうことにした。前輪がフォークに干渉しているため、空気を抜いてみた。それでもギュルギュルとこする音がして回らなかった。前輪を持ち上げ、かろうじて進む。
こういう時の1㎞は驚くほど遠い。そして後ろの荷物が重い。200mほどで力尽きた。
ちょっとお願いしてみるか。
近くのお宅の庭にいたおじいちゃんに、荷物を預かってもらえないか頼んだ。自転車だけならなんとか進めるかも。ところが、
…。
あいさつはしてくれたが、話は聞いてもらえなかった。怪しい人と思われたのかもしれないが、かなりショックだった。
再び自転車を押して進む。前輪を持ち上げることができずに引きずった。さらに200mほど進んだところで別のおじいちゃんが道に立っていた。家の前の用水路を見ている。
こんにちは。
もう一度勇気を出して声をかけた。事情を説明すると、
乗せていこうか?
なんとトラックで自転車屋さんまで乗せてもらえることになった。
自転車を荷台に乗せさせてもらう。いつも用水路なんて見ないが、あの時はたまたま気になって外に出ていたらしい。ありがたいタイミングだった。
これは…。
スタッフさんの反応は良くなかった。フォークの交換で直るかもしれないが、通常なら廃車だそうだ。フォークを差し込む部分も歪んでいる可能性があるからだ。
しばらく考え、おじいちゃんに相談した。すると別の自転車屋さんにも寄ってくれることになった。ところが次の店では、「その部品はうちでは扱っていない。」と門前払いされてしまった。結局もう一軒寄ったが、最初の店と同じような感じだった。うーん、どうしたものか。
このタイミングで人力車のシュウくんのことを思い出した。せっかくの彼が楽しみにしているキャンプの予定が。こうしている間も彼は必死にキャンプ場まで走っている。
こんな日に何やってんねんや…。
涙目になった。日は暮れ始めている。車の中で考え、キャンプ場へ電車で向かうことにした。
私はおじいちゃんに事情を話し、図々しいことに自転車を1日預かってもらえないか頼んだ。おじいちゃんは「ええよ!」と快く引き受けてくれた。
駅まで歩き電車に乗る。左肩の痛みを思い出した。上着の肩部分は綿が飛び出していた。関東で買ったばかりの物だったが、この上着がひどいけがから守ってくれたようだ。
無事キャンプ場に到着。シュウくんと合流できた。
彼はけがのことをかなり心配してくれた。
少し冷える中一緒におでんを食べ、焚き火を囲んでたくさん話した。これまでの出来事や出会った人の話をたくさんしてくれた。ぜひ無事に和歌山にゴールしてほしい。彼とのキャンプ時間は、今日の事故のことを忘れるほど、めちゃくちゃ楽しかった^^
なんとか約束を守れてほっとした。
倉敷市までのルート
2023年2月19・20日【183・184日目】
広島県福山市→岡山県倉敷市
走行距離 71.7㎞
積算距離 9,590.6㎞
かなりショックな出来事でしたが、今回もいい出会いに助けられました。旅人のみなさんはどうか安全に!次回も奇跡的な出会いが続きます!