自転車屋にいたのは
岡山で人力車の旅人とキャンプした。その前に愛車を壊してしまったが、そのことを忘れるくらい楽しい時間だった^^
ありがとうシュウくん。またどこかで再会することを誓って、彼と別れた。
キャンプ場までは福山のMさんが車で迎えに来てくれた。これもダメもとで頼むと快くOKしてくださった。どれほどこの方には助けられただろう。
昨日自転車を預けたお宅へ。軽トラックで自転車屋さんをはしごしてくれた上、一晩預かってくれたおじいちゃん。
修理できたら、またごあいさつにきます!
感謝の気持ちを伝え、自転車を受け取る。そのまま今度は福山市内の大手の自転車屋さんへ行った。
これまで修理の際、大手の自転車屋に行くことは避けていた。旅用の自転車は荷物をたくさん乗せているし、小さな店の方が対応してくれやすいという情報があったからだ。
店に着いて自転車を降ろす。店内には多くのスタッフがいた。ここは大規模な店舗でそれだけスタッフの数も多い。真っ先に対応してくれたのがKくんだった。なぜこうなったかを話し、旅していることも伝えた。彼が言った。
見たことあるかも…。
自分のことを記憶と照らし合わせるKくん。実はこの方、自転車日本一周の経験者だった。話を詳しく聞くと、ある人のインスタの投稿で見たかもしれないという。それが先日岡山で再会した旅人だった。
Kくんはなんと岡山の彼の自転車の購入をサポートし、メンテナンスをしていた人だった。
まさかこんなつながりがあるとは。
彼は自転車について「通常なら廃車」と言った。フォークを替えても、フレームに歪みがあれば直せない。プロの自転車屋さんとしては当然安全な道をすすめる。しかし彼はその後、こっそり私に連絡先を渡した。そして「今日自宅に泊まりに来ないか」と誘った。自宅で詳しく話を聞いてくれるそうだ。
返事は保留して、自転車とともにMさんの自宅に戻る。車の中で涙が出た。
広い福山のたくさんある店の中で、日本一周を経験しているKくんに出会えたこと。もう一つはこの後の大事な予定のことを考えたのだ。
人生初の取材
なんで壊してしまったんや。
改めて自分を責めた。大事な予定というのは新聞社の取材だ。
実は車で迎えに来てくれたMさんは私との出会いに感銘を受けて、新聞社に電話をしてくれた。そして今日の昼から取材の予定が入っていたのだ。新聞社からは事前に「自転車と一緒に写真を撮らせてほしい」と言われていた。にもかかわらず、昨日自分の不注意で愛車を壊してしまったのである。涙が止まらない。
新聞社に壊れたことを伝えると、とりあえずそのままで写真を撮ってくれるとのことになった。取材の前、壊れた自転車に荷物をセットし直す。のせても走れない自転車。廃車の場合、これが最後になる。いろんな思い出がよみがえり、再び涙があふれた。
でも最後に写真撮ってもらえるって、幸せやな。
愛車を見つめてそう感じた。これもめぐり合わせなのかもしれない。
これまでの旅の行程や出会った人とのエピソードを聞かれた。自転車日本一周の旅人は意外とたくさんいて、記事にするほど珍しくないらしい。通常は断るそうだが、「おはなしきくたび」という旅のテーマとMさんの熱意が伝わって、わざわざ取材に来てくれたそうだ。ありがたい。
無事取材を終え、Mさんのご自宅に戻った。尾道ラーメンをいただいた。今日もすごい一日やった。温かいスープが心にしみわたる。
愛車を託す
結局今日は、自転車屋のKくんの自宅に泊まらせてもらうことにした。
少しでも望みがあるなら…。
彼の話を聞いてみようと思った。Mさんは自宅まで送ってくださった。
Kくんは部屋で自転車を分解して、詳しく見てくれた。通常ならこういったことも工賃が必要なこと。彼は「自分も旅でお世話になったから」と、長時間かけて点検してくれた。
彼は「廃車の場合は自分の古い自転車を使ってくれてもいい」とまで言ってくれた。さすがにそれはお断りしたが、あまりのやさしさに感動した。
点検の結果、フレームに歪みはなかった。つまりフォークの交換で一応直るということになった。ただ他の部分もかなりガタが来ているらしい。
あと3000㎞なら…。
残りの旅を走れる自転車に仕上げてくれるとのことだった。部品調達に時間がかかるので約1週間、彼に愛車を預けることになった。
直るかも(T T)
希望が見えてめちゃくちゃ嬉しかった。
これまでの距離
2023年2月21日【185日目】
積算距離 9,590.6㎞
福山で自転車を預け一旦大阪の自宅に帰りました。さて、自転車はどうなるのか。次回もお楽しみに!