半島の出会い【197日目 大分】

日本一周
この記事を書いた人
tomoya

元小学校の先生が30代から
自転車日本一周の旅へ
最近はオンライン日本語教師に
挑戦中!
日々の出会いや感じたことを
お届けします!

tomoyaをフォローする

フタマタ

大分の昭和の町からおはようです!

昭和の町中央公園の像

この像かわい(笑)

公園で周辺の地図が書かれた看板を見つめる。昭和の町の手前で国道10号線は二叉(ふたまた)に分かれる。一つはそのまま国道10号として別府方面へ。もう一つは213号線で半島へ伸びる。散歩中のおっちゃんが話しかけてきた。

今日はどこまで行くの?

「10号線で別府の方をめざします。」と答えた。山道だが別府まで最短で行けるからだ。ところがおっちゃんはこう言った。

せっかくなら回っていったら?

「回って」というのは国道213号で国東(くにさき)半島に進む道のことである。遠回りにはなるが、せっかくすすめてくださったので行ってみることにした。

国東半島は九州の右上、まるでたんこぶのように飛び出た半島。長い距離を走る日本一周旅において、半島を回ることは時間のロスになる。特に自走系(徒歩や自転車)の旅人にとっては体力が余分に必要だが、半島ならではの景色や出会いが待っていることもある。

思い出したのは愛知の渥美半島での出会いだ。あのときは岬で待つリアカーマンという旅人に会うため、半島を回った。美しい海岸の景色が見られ、多くの人との出会いがあった。

岬で待つリアカーマン【161日目 静岡・愛知】
静岡から愛知の渥美半島の先端までこぎました。そこで待っていたのはリアカーを引いて日本一周する旅人。どんな方なんでしょうか。

もしかしたら今回も…。

何かに吸い寄せられているような気がした。まあ、結果的に何もなかったとしても自分の選択に後悔することはない。いざ!

半島の出会い

半島を一周する213号線を進む。さっそく散歩中のおじさんと話をした。なんと60歳の時に自転車で北海道まで行ったらしい。この辺りでカフェをされていて、今日はごみ拾いのため歩いているそうだ。

チャイハナの看板

せっかくなのでおじさんがされている店へ。チャイがおいしいインドカフェだった。

チャイハナの前の植木鉢

カフェの時間は過ぎていたが、飴やクラッカーなどを差し入れでいただいた。ありがとうございました!

粟島公園

海沿いにあった粟島(あわしま)公園でトイレ休憩。

粟島公園のフォトスポット

美しい海が見える、まるで大きな窓のようなスポットで記念写真。が、社会の窓が開いてしまっていたのはここだけの話(笑)

長崎鼻の菜の花畑と自転車

半島を3分の1ほど進んだところに菜の花畑があった。そういえば渥美半島を走ったときも菜の花を見たな。

長崎鼻の菜の花畑

ここは「長崎鼻」という海岸に少し突き出た場所。一面に菜の花が咲き誇る。夏の時期はひまわりが見られるらしい。観光で来た方やドローン撮影をしている方と話した。

長崎鼻の菜の花畑

6人のおじいちゃんおばあちゃんのグループとも話した。「この先にあるミツマタ群生地がおすすめだよ。後からおいで!」と言われて別れた。数キロ先の場所にあるらしい。おじいちゃんたちの車の後を追いかけようとしたが、すぐに離れてしまった。

ミツマタ

地図で場所を確認する。半島の内陸部にたしかに群生地がある。

ん?

距離は7㎞程なのでまずまず。気になったのは標高だ。途中から200m以上の上りがある。

これはやばい気がする…。

今までの経験上、7㎞で200mの上りはかなりの坂だ。うーん。

悩んだが、おじいちゃんたちと会う約束を優先した。

ミツマタ群生地に向かう旅人

はあ、きつい…。

予想通り、山道に入るとものすごい坂道が待っていた。自転車はこげず、最後の2㎞は押して登る。半島を颯爽と走る計画が、こんな内陸を歩くことになるとは。

だいたい、ミツマタってなんやねん(笑)

ミツマタ群生地

そんなことを思いながら歩いていると、少し道がなだらかになり辺りに黄色の花が見え始めた。

これが、ミツマタ?

ミツマタの花
手前に2本、奥に1本枝が伸びている

枝の先にきれいな黄色の花がついている。ミツマタは中国中南部のヒマラヤ地方が原産で、枝が必ず3つに分かれることからその名がついたそうだ。うん、確かに分かれている。

ミツマタ群生地と自転車

すごい!!

もう少し進むと、一面ミツマタが咲く場所に着いた。

ミツマタ群生地に着いた自転車

どこ行ったんやおじいちゃん…。

少し開けた場所に車が止まっていたが、おじいちゃんたちの物ではなかった。菜の花畑で別れてすでに1時間半。ここに来ていたとしてもすでに山を下りてしまったかもしれない。残念。

ミツマタ群生地でいただいた差し入れ

ミツマタ群生地に囲まれた場所にテントや机が置かれていた。おそろいの黄色のベストを来たおばあちゃんたちが話している。あいさつしてここへ来た事情を伝えると、差し入れをくださった。

ここのミツマタの保存活動をしている方々だった。みなさん近くにお住まいの方で、この時期はこうして群生地の前で土産物を売ったり、軽食を出したりしているそうだ。一緒に記念写真を撮ってくださった。

ミツマタ群生地でいただいた差し入れ

おばあちゃんたちは「これもどうぞ!」とパンの差し入れまでくれた。なるほど、苦労して来たのはこの方たちに会うためやったのか。

おばあちゃんたちと別れ、さらに奥へ。すると…

あ! 菜の花畑で出会ったおじいちゃんたちがいた。ミツマタの前でこれまでの旅路を話す。まさか会えるとは。ここまで頑張って来てよかった。

ミツマタ群生地に続く道

行きとは違う道で山を下る。

ミツマタ群生地の坂を終えた旅人

ようやく坂道は終わり。達成感で思わず自撮りした(笑)

道の駅くにみ

道の駅で休憩して、

弥生のムラ安国寺集落遺跡公園
弥生のムラ安国寺集落遺跡公園

弥生時代の遺跡がある場所へ。うーん、ここはまあまあ(笑)

別府湾に沈む夕日

日が暮れる寸前に国東半島を回り切った。アップダウンが激しい道もあり、本日の獲得標高は1200m。トンネルは小さいものも含めなんと14本も通った。

別府市の海岸に張ったテント

宿は別府の海岸に構えた。朝、公園の看板の前でおっちゃんとしゃべらなければ、今日の出会いはなかった。あの人はキーパーソンだったのか(笑)

別府市までのルート

2023年3月14日【197日目】

豊後高田市→別府市

走行距離 105.5㎞

積算距離 10,381.2㎞

ともや
ともや

やはり半島には旅人が興奮するパワーがありますね。次回は大分で再会を待つ人のもとへ!お楽しみに!

にほんブログ村 旅行ブログ 日本一周(自転車)へ
タイトルとURLをコピーしました