熊本県の戸馳島でのおてつたびが終了。旅立ちの朝すやすや寝ていると、寝床に忍び寄る足音が…。
深夜2時
今回のお仕事は結構ハードだった。お花を手入れし梱包する作業で、10日間本当によく働いた。しかしおもしろい仲間に恵まれ楽しい毎日でもあった。そんな日々も今日で終わり。
2:00 気持ちよく眠りについている時だった。仲間の二人にたたき起こされる。
「ともやさん、希望の朝ですよ~。」
目をこすりながらなんとか体を起こす。外は真っ暗。この二人、朝の概念がわかっていないのか。
いいか、朝というのは太陽が昇って明るくなり始めたら…
反撃する間もなく車へ連行。これから夜釣りに連れて行ってくれるそうだ。車内で釣り場所はどこか聞いた。
「あ、ここから1時間くらいのとこです!」
こいつらはバカなのか(笑) 以前夜釣りをした時は近くの岸壁に行ったが、今宵の場所はそこではない。移動中眠気と寒さが容赦なく30代の体を襲う。
3:15 現場に到着。寝ぼけた3人を野良猫が迎えてくれた。
真っ暗な海に糸を垂らす。風はなく静かな場所だ。糸をゆっくりたぐる音だけが聞こえる。エサをつつくような感覚はあるが、なかなか釣れない。
夜が明けてきた。岸壁近くに潜む魚に狙いを定める。竿先を下に向け、できるだけ壁に近いところを探っていくそうだ。すると…
釣れた!きれいな色のベラだ。
私もこの通り!小さなカサゴ。
魚を狙うのは人間だけではないようだ。
結局3人で10匹以上釣れた。釣り、おもしろい(笑)
彼らにはこのおてつたびの期間中、ハッとさせられることが何度かあった。
おてつたびは「おてつだい+たび」の造語で、行き先で仕事をしつつ観光もするというのが一つのコンセプトである。今回の熊本でのおてつたびは、母の日ギフトで全国のお母さんたちにお花を届けるやりがいのある仕事。しかし、正直今までのおてつたびで一番働いた。朝の8時から休憩をはさみつつ夜の8時まで。そんなハードな仕事を頑張れたのは彼らの遊び心があったからだ。
朝一キッチンで作られるスパイスカレー。仕事終わりの夜釣り、TVゲーム、筋トレ。貴重な休みの日の観光などなど。なんというか仕事と遊びにメリハリがある。かといって仕事中ずっと気が張っている感じもしない。ときどきある雑談が緊張を和らげる。一生懸命だけど肩の力は抜けている、という感じか。
遊ぶように生きてるなあ。
釣りをする彼らの背中を見てそう思った。遊ぶために食べて、遊ぶために働いて…。20代前半の時に自分はそんな生き方をしていただろうか。
8:00 宿へ戻る。三角駅から橋を渡って、農園がある戸馳島(とばせじま)へ。
荷物をまとめ、お世話になった宮川洋蘭さんへご挨拶に行った。たくさん勉強させてもらえたおてつたびだった。社長には日本一周Tシャツにメッセージをいただいた。
阿蘇ドライブ
14:30 おてつたび先を出発。仲間が阿蘇までドライブに連れて行ってくれた。天気が良くて最高に気持ちがいい。
きれいな緑の中にポコッとした火山の地形。いかにも阿蘇って感じ。
さらに登っていくと、左奥に噴煙が見えた。あの辺りが火口か。
14:50 阿蘇火山噴煙駐車場に到着。駐車場から西に伸びる小道があったので歩いてみた。
緑の草木の中を道がくねくね伸びている。
おいしい空気をたくさん吸いながら歩いた。
今度は阿蘇山の火口を見に行く。河口まで上がる有料道路の横に歩道があったので、駐車場から歩いて登ることにした。
阿蘇山の火口が見えてきた!
火山の火口というのを生まれて初めて見た。底の方からモクモクと噴煙が上がっている。
横には長年の噴火で積み重なった地層のようなものが見える。
こちらは草原と山と水がたまった大きな池。チャリがあったら全速で駆け抜けてみたい。
18:00 山を下りていき、晩ご飯にラーメンをいただいた。おてつたびでの思い出を語り合う。お二人とも全国での仕事経験が豊富な方だ。
今晩は仲間の一人が乗っているバンで寝させてもらえることになった。愛車とともに道の駅へ移動。旅史上初の車中泊だ。
彼の車内には遊び道具がたくさん載っている。釣り竿にサップボード、キャンプ道具。全国で仕事をして回っては遊びまくる。それが彼の旅スタイルだ。
遊ぶように生きる
いつか自分も…いやすでに2、3歩踏み出しているかもしれない。
これまでの距離
2023年5月14日【258日目】
積算距離 12,880㎞
人との出会いは勉強になることが多いですね。最近では「自分でいい出会いにできる!」と考えることもあります。次回もお楽しみに!