出会いのタイミング
8:00 熊本の道の駅うきで起床。旅史上初めての車中泊。後ろのベッドルームは彼にゆずり助手席で寝たが、わりと寝られた。
近くの牛丼屋で朝飯。旅中に覚えた牛丼屋の朝定食。広島の福山で3人で食べたのを思い出す。
10:00 彼に別れを告げいざ出発。
道の駅を出て左に曲がった。3分程走ったところで車の方から声をかけられた。
「おはなしきくたびさんですかー?」
初めての呼ばれ方(笑)
なんとインスタでつながっていたカップルだった。二人で車で日本一周されていて、YouTubeもやっているすごい方。近くの駐車場で少し話した。
お互い旅人にもかかわらず、差し入れをいただいた。ありがたい^^
めっちゃすてきなステッカーまで。バッグに貼らせてもらった。
今回の出会いのタイミングもすごかった。もう少し起きるのが遅かったら、ゆっくりご飯を食べていたら、あの道に出なかったら…。特に車旅の方とばったり会えるタイミングなんて一瞬だ。今日の出会いもまるで以前から決まっていたように感じた。
宇土半島を進む
実家の母から「花が届いた」と連絡があった。今回のおてつたび後に実家に送っていたものだ。世界一尊敬する母親へ。少し感謝の気持ちが伝えられた。
さて、今日は熊本を北上するのではなく、西に進む。宇土半島の国道57号線を走り、三角にある世界遺産の港を見に行くのだ。その後は天草方面へ進んでいく。楽しみだ。
国道57号線をこいでいく。JRのあまくさすさみ線が左を走っている。
12:30 長部田海床路(ながべたかいしょうろ)という場所を見つけた。海苔養殖を行う漁業関係者用の道で、海に向かって一直線に伸びる道路に電柱が等間隔で立っている。他ではあまり見ない光景。
手前にはジンベエ像があった。熊本はワンピース作者の尾田栄一郎さんの故郷でもある。ところどころにこうしてキャラクターの像があるそうだ。
13:10 網田駅で休憩。駅舎がレトロだ。
隣の公衆電話ボックス。うん、めちゃくちゃいい。ろくに休憩せず、写真を撮りまくった。
13:40 道の駅宇土マリーナへ。奥にはクルーザーが何艇か止まっている。
バイクの方や家族で来られた方と話した。
おばあちゃんから差し入れにパンをいただいた。こういう甘いのを今欲していたところ。
14:45 「たこやき&ソフトクリーム」と書かれた看板の店を見つけた。駐車場の奥が開けていて、海がきれいに見える。あの奥の山は何だろう。マップで確認するとすぐにわかった。
あれが雲仙普賢岳か。
名前は聞いたことがあるがこんなところにあるのか。なかなか険しそうな山だ。
宇土半島の西端までやってきた。右手にこんもりとした島が見える。
地図で見るとこんな感じ。先ほどの島は「中神島」というらしい。海を挟んだ反対側から上天草市となる。
かわいいバス停の看板があった。さてもうすぐ目的地の港だ。
三角の世界遺産
16:00 三角西港に到着。周辺には世界遺産に登録されている施設がたくさんある。写真の石畳の部分はなんと明治時代に整備されたそうだ。
近くには当時の面影を残す建物が並んでいる。
こちらは旧高田回漕店。所有していた4隻の船で海運業を営んでいた。
室内は無料で見学できる。
復元された建物だそうだが、まるで明治から建っているような雰囲気がある。
辺りはおしゃれな建物がたくさん。
山から海へ続くこちらの水路も左右均等で美しい。
明治20年に竣工した水路のようだ。現代までよく残っているな。
少し歩いては写真を撮る。神戸の異人館や長崎の洋館が並ぶ景色と似ている気がする。
今度は山に向かって階段を上っていく。
踊り場から見た景色がこちら。古い建物の向こうにキラキラ光る海が見える。
階段を上った先には旧三角簡易裁判所という建物があった。
瓦屋根の古い建物。開庁したのは明治23年(1890年)だそうだ。
水色のきれいな窓枠が映える建物もあった。船舶免許が取れる施設のようだ。
もう一度港の方へ。石畳の上に細長い建物がある。現在は珈琲屋さんになっていた。
三角西港は「明治日本の産業革命遺産」の一部として世界遺産に登録されている。複数県にまたがる複合遺産で、特に有名なのは長崎の出島や軍艦島、福岡の八幡製鉄所など。日本の産業発展を支えた歴史的な場所や施設ばかりだ。旅中可能な限り寄ってみたい。
17:00 三角駅にやってきた。おてつたび中にも訪れた場所だ。
中はこんな感じ。いやあここもレトロですね^^
自販機にこんな表示があった。自分はあまり見たことがなかった。外国人だけではなく子どもにも易しい。
ちょうど電車が来たのでホームに出てみた。宇土駅から伸びるJRあまくさすさみ線はここが終着駅だ。
駅前の広場にはくるくると渦巻く展望台がある。海のピラミッドと呼ばれているらしい。
中のスロープを上がっていくと展望スペースにたどり着く。
さっきいた三角駅が小さく見えた。
反対側の海の方も見てみる。奥に天草の島々が浮かんでいる。これからあそこを走っていくのだ。
さらに別の方向にはおてつたびでお世話になった戸馳島が。たった10日間の滞在だったがすでに恋しい。
暮れた港で
19:10 再び三角西港へ。この辺りで野宿場所を見つけなければならない。
いい感じのスペースを見つけた。今日はここをお借りして寝させてもらうことにする。
世界遺産の港を前に野宿するのは申し訳ないが、日はすでに暮れている。ひと気も少ないのでおそらくここがベストスポット。
20:30 晩ご飯の弁当を食べ終え、今日一日の旅路を振り返っている時だった。目の前に釣り人が一人現れた。
こんにちは。
軽くあいさつする。釣り人のお兄さんは慣れた手つきで竿を振っている。シャーッという音とともに先端のジグが遠くに飛んでいく。釣りを初めて5分もたたないうちに当たりが来た。
お兄さんが捕らえた魚を見せてくれた。大きな太刀魚ではないか。ヘッドライトの明かりに反射して銀色に光っている。すごい!
「今日は気分がいいから!」
そう言ってお兄さんは缶ジュースを一本買ってくれた。一日の最後にすてきな方と出会えた。
おやすみまでが旅やったな。
ジュースを飲み干し、気持ちよく眠りについた。
三角西港までのルート
2023年5月15日【259日目】
道の駅うき→三角西港
走行距離 37.4㎞
積算距離 12,917.4㎞
今日もおもしろい旅ができました!三角と書いて「みすみ」。いいところですね^^次回もお楽しみに!