おじいのトークショー【49日目 新潟】

日本一周

山の中にポツンとたたずむ温泉。そこであるおじさんと出会いました。山をこよなく愛するおじさんのトークは止まることなく…。キャンパーの憧れの町にも行ってきましたよん!

この記事を書いた人
tomoya

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8号線を進む

テントで迎える朝

おはようございます。柏崎市のキャンプ場で迎える朝。

ん?テントの内側が湿っている。結露だ。このテントは1枚のシートで覆われるシングルウォールタイプ。二重構造のダブルウォールタイプに比べて、結露ができやすい。入口を大きく開放して、テント内部を乾かす。

キャンプ場のオーナーさんにもらった飲み物

「朝会えるかはわからないけど…」と昨日言っていたオーナーさん。タイミングよく会えて、なんと嬉しい差し入れまで^^ありがとうございます!

国道8号線を走る自転車

今日は新潟市あたりまで進むつもりだ。それにしても新潟というのは縦に長い。面積でも全国5位の大きさを持つという。

柏崎市からは8号線に沿って内陸の方へ進むことにした。こちらには長岡市三条市、二つの大きな町がある。長岡市と言えば花火で有名だが、どちらかというと三条市の方に興味がそそられる。その理由については後ほど。

新潟大地主神社入口

長岡市までの8号線の道は、山の中を曲がりくねるように走っている。アップダウンですぐに息が切れる。こちらの神社で少し休憩。

「大地主神社」

なんかパワー得られそう。

新潟大地主神社

例のごとく旅の安全を祈る。ほかの日本一周勢の安全も一緒に祈っておこう。

新潟大地主神社の狛犬
こま犬とシーサーって何が違うん?(笑)

山の中でも苦しい時に不思議と神社やお寺は現れる。昔の人はなんて旅人思いなんや。

ポツンと一軒湯

ルートをチェックしていると、山の中にポツンと「温泉」の文字があった。

灰下の湯へ通じる道

よし行ってみよう!

国道8号線からは少しはずれて細い道を進んでいく。この先にほんまにあるんか…(笑)

灰下の湯入口

おー!あったあった!灰下はいげの湯 東栄館

日帰り入浴は600円。宿泊もできるそうだ。

受付の方はとても気さくな方で、旅の話で少し盛り上がる。このあたりのおすすめスポットまで丁寧に教えてくれた。

山のことは全部知っている

灰下の湯の男湯入口

いざ入場

これがすべての始まりだった。

時刻は11時。30分ほどで上がるだろう。軽い気持ちで扉を開ける。

中にはこじんまりとした浴槽が一つ。4人くらいが一度に入れる大きさだ。ほかに利用客はいなかった。体を洗っていると、おじさんが一人入ってきた。近くに住んでいるらしく、よくここに来るそうだ。

湯舟につかる。おじさんは旅のことについて興味深々で、たくさん質問してくださった。その後はこのあたりの名物の話。8号線をもう少し進むと老舗の団子屋さんがあるらしい。これはナイスな情報。あっという間に30分ほどしゃべってしまった。

お湯の温度加減がちょうどよく、のぼせやすい私でも結構つかっていられた。

そろそろ上がろうか。

そう思ったとき、入口の扉が開いた。

また別のおじさんだ。入るなりすぐに私に話しかけてきた。

どこからきたの?

大阪です!

おお!大阪から旅してるのか。若い時はいろんなところ行ったなあ。休みがあったらだいだい山に登ってた。

登山が趣味のおじさん。ここからおじさんの山トークが炸裂する。

このへんの山は全部登った!山のことは全部知っている。

あの山に登ったのは〇歳の時で~。この山に登った時は~ことがあって…。

知らない山の名前が次々と。登った時のルートやハプニングなどトークに熱が入ってきた。

一方私の体もさすがに熱くなってきた。湯舟に肩までつかるのはやめて足だけをつける。

登山の体験談の次は登山時の装備について。良かった装備品、不必要だったもの、まだまだトークは終わらない。

一つのエピソードが終わるたびにおじさんは言う。

山のことは全部知っている。

あれ、もう一人のおじさんは…。

いつの間にか山おじいとマンツーマンだ。おはなしきくたび始まって以来の長時間エピソード。

もちろんお話はおもしろい。ここは山の中にポツンとある銭湯のポツンとある湯舟の中。

俺が聞かなきゃ誰が聞く?

おじさんの話したい気持ち、大事にしたいなあ。

もう1時間くらいはたっただろうか。もはや体は湯舟につかっていない。浴槽のヘリの部分に体育座りである(笑)

今日はどこまで行くの?

久しぶりにボールが飛んできた。しばらく前にボールを投げてから、おじさんは一人でジャグリング状態だった(笑)

今日は新潟市まで行けたらと思っています!まだ結構距離あるから、急がないといけないんですけどね…

基本的にこの旅では、「相手が話し終わるまで聞く」というのを意識している。だが湯舟に体育座りではさすがにこちらの体力にも限界が…(笑)

チャンスはここだ!ここでたたみかけろ、ともや!!!

そうか。関西の方にも結構山はあってね~。

なにいぃいいいい!!

こちらのジャブが全く効かない(笑)

結局そこからさらに30分。風呂を出たのは13時だった。

2時間も聞いてたのか・・・。

まあこれはこれで一期一会のいい思い出。二人のおじいのすばらしいトークショーだった。

きびだんご

灰下の湯を出て8号線に戻った時だった。気になる文字が…

聴聞についての看板

聴聞ちょうもん

両方ともきくという意味の漢字だ。仏教では、「仏法を聞く」という意味になるらしい。話をうまく聞く人は、うまく話すこともできるということだろうか。なるほど。

さっきの出来事があってすぐのことだったので、立ち止まってしばらく見入ってしまった。

とっくに昼飯の時間は過ぎている。

あ、そういえば団子屋があるんやったな。

江口だんご本店外観

ここだ!江口だんご本店。地元の人もよく買いに来るらしい。

江口だんご本店入口

こちらの団子、ひと箱でいろんな味が楽しめるそうだ。

店内はお客さんであふれている。団子を注文し、待つこと40分。

江口だんごの名物5色だんご

きたー!!

ようやく手に入れた。走りながら、どこかで食べよう…

江口だんご近くの公園

あーだめ、我慢できへん!

団子屋からすぐの公園で包装紙を開ける。

江口だんごの名物5色だんご
江口だんご伝統の5色だんご

おおー!これはすごい!!

左からこしあん、ずんだ、黒ごま、みたらし、海苔の5種類だ。名も知れぬ公園に集まりし団子界のオールスター。今日の昼飯には十分の量とカロリーだ(笑)

甘党の私にとっては、もはやこれは「きびだんご」

江口さんの言うことは何でも聞いちゃいます(笑)

ものづくりの町へ

信濃川をわたる橋

信濃川をわたる。流域面積は国内3位。利根川、石狩川と並び三大河川と呼ばれている。

長岡駅前

長岡市に到着。駅前には早速花火の打ち上げ台のモニュメントがあった。ここの観光はまた次回!

三条市看板

三条市に入った。来たのには理由がある。

ここにはキャンプギアで有名なメーカーの本社が集まっているのだ。

燕三条駅前
燕三条駅

燕市と三条市があるが、燕三条市という町はない。この燕三条という言葉、キャンプ好きなら聞いたことがあるかもしれない。キャンプギアで、ここ燕三条で作られたものが多くあるからだ。

株式会社新越ワークス外観

こちらがキャンプギアで有名なユニフレーム。ユニフレームはブランド名で、正式な会社名は「株式会社新越ワークス」というそうだ。この会社が出している「燕三条乃のこぎり」という商品、コンパクトで使いやすいのこぎりなんです^^「ファイアグリル」という四角い焚火台もキャンプ場でよく見かけるなあ。

新潟の田んぼと雲

本社めぐりをするはずが、日が暮れてきてしまった。自転車旅はなかなか計画通りには進まない。他にも見てみたい会社がいっぱいあったのに。

ここ三条市には先ほど紹介した新越ワークスの他にも

・スノーピーク

・キャプテンスタッグ

・バンドック(株式会社カワセ)

・ベルモント

などなど名立たるキャンプ用品メーカーが本社を構えている。元々金物産業が栄えていた三条市。ものづくりのまちとして、刃物等の金属加工に長けた多くの企業が集まっている。ここ数年のキャンプブームよりもずっと前から、質の高い製品が作られていたに違いない。またゆっくり観光しに来よう。

彌彦神社

さて、今日は新潟市に宿をとっている。もう少し進まなければ。

新潟市までの道の途中に、県内で有名な神社に寄って行くことにした。

彌彦神社の鳥居

ここだ。

彌彦神社の鳥居

彌彦やひこ神社。なんとこちら創建から2400年以上の歴史を有する神社で、万葉集にも記述があるという。

彌彦神社本殿へ通じる道

本殿まで続く道はとても厳かな雰囲気。

彌彦神社本殿

こちらが本殿。

今日も無事ここまでこいでくることができました。明日もよろしくお願いします。

本日2度目の安全祈願だ。

米食うてへんやん

新潟にきて一つ忘れていたことがあった。

新潟の米、食うてへんやん

日本一と言っても過言ではない米どころ。学校の給食での米率も高いらしい。

ラーメンやまだ外観
ラーメンやまだ

ということで、神社の近くで明かりが灯っていたこちらのお店に入場。

店に入るなり、失礼を承知で聞いてしまった。

すみません、こちらのご飯は新潟米ですか?

新潟の人になんてことを聞いてしまったんだ。店のおばちゃんが笑顔でうなずく。

ラーメンやまだのラーメンセット

勝った…。

大盛のラーメンに餃子、そして輝く米つぶたち。

お腹が空きすぎて、口に入れたものはもはや何でもうまい「無双デリシャス状態」だが関係ない。噛めば噛むほど甘味が出る米。

これだよ、これなんだよ。

満腹だ。もうこのまま店の前にテントを出して眠りにつきたい気分だ。

ゲストハウスアンゴ荘ドミトリー
ゲストハウスアンゴ荘のドミトリー

そう言いつつ、なんとか新潟市内のお宿にたどりつきました。料金は2800円。親切なオーナーさんのいるゲストハウスだ。

今日はよく聞いて、よく走って、よく食べた。おやすみなさい。

新潟市までのルート

2022年 7月1日【49日目】

柏崎市→新潟市

走行距離 126.6km 

積算距離 2,582.7km

ともや
ともや

今日のブログも読んでくださりありがとうございます。旅が始まって、一番人の話を聞いた日やったなあ^^また次回お楽しみに!

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