雑誌類の片づけをしているとこんなものが。
海外の一人旅に行った時のことを記した日誌だ。ちょっと見てみよう。
そういえば、この国おもしろかったなあ。
この国というのはウズベキスタンのことです。たった1か国を訪問する旅でしたが、今思えば出会いがあふれる本当におもしろい国でした。料理にご飯、美しい歴史的建造物、そして人。どれをとってもすばらしいです。ぜひご紹介させてください。
時間は2019年にさかのぼります。では行ってみましょう!
まずは仁川空港へ
2019年3月26日 時刻は15:00。
早めに仕事を終えて帰宅した。急いで関西国際空港へと向かう。
日程は今日を含めて5日間。移動を除くと現地では3日ほどの弾丸旅だ。いったん韓国を経由してウズベキスタンへと向かう。
19:55発仁川行きの飛行機に乗り込む。
21:55 韓国の仁川空港に到着。ここでは約12時間、次の飛行機の乗り換えまでに時間がある。ここ仁川空港は敷地内に3本の滑走路と2つのターミナルを有する大規模な空港だ。各地域からここを経由していくハブ空港としての役割が大きい。飛行機の離発着が頻繁に見られる、飛行機好き、空港好きにはたまらない場所である。
事前に宿を取ろうか迷ったが、仁川空港には無料のトランスファーラウンジというのがあるらしい。気になるので行ってみる。
トランスファーと似たような言葉でトランジットというのがあるが、飛行機の機体を変えずに燃料補給する場合の時間はトランジット。機体を乗り換える場合の時間はトランスファーと呼ぶ。こういったラウンジがあれば、待ち時間も安心して空港内で過ごすことができる。
広いなあ。
こちらがラウンジの全体図。昼寝スペースやマッサージルーム、シャワーまであるではないか。
え?これ無料!?
こちらがシャワー。一人で使うにはもったいないくらいのスペースがある。韓国の街中では、トイレットペーパーを流せないトイレが多くみられる。トイレの横のごみ箱に使ったペーパーを捨てるのだ。ただこちらの空港のトイレではトイレットペーパーを一緒に流すことができた。
ふかふかのソファスペースが埋まっていたので充電スペースへ。硬いソファで休む。12時間というのは結構長い。
そこは中央アジア
ところでウズベキスタンてどこやねん!という方も多いかもしれない。
ウズベキスタンは中央アジアの国で、周囲をいくつかの国に囲まれている。旧ソ連の構成国で、中国と地中海地域を結ぶシルクロードの中継地点にあたり、それに関連する多くの歴史的建造物が残っているそうだ。
たまたま本屋で手に取った世界遺産の本でサマルカンドという街の写真を見た時に一目ぼれした。ただ調べる限り、「行った」という人が少なく、詳しいことは行ってみないとわからない。いったいどんな国なんだろう。
翌27日、11:05発タシュケント行きの飛行機に乗り込む。約7時間10分のフライトだ。
ついに来たぞ!中央アジア!
14:15 タシュケント空港に到着。タシュケントはウズベキスタンの首都で人口は約220万人。中央アジア最大級の人口をもつ都市だ。実は今日の最終目的地はここではない。夜の便でまた別の都市に向かう予定だ。それまでの4時間でこのあたりを観光してみよう。
空港を出るとタクシーの運転手が寄ってきて手招きをする。下調べした情報によると、ここからバスで中心部まで行けるようだ。大柄のおじさんにどのバスか聞いてみた。ところが返ってきた言葉が全くわからない。なんとなくロシア語のように感じる。
そういえば元々ソ連やったっけ。
ウズベキスタンでの公用語はウズベク語。全体の7~8割ほどを占め、そのほかはロシア語、タジク語などが使われています。ちなみにウズベク語でこんにちはは「アッサラーム アライクム」。ちょっと長めですね(笑)
おじさんは説明を続けてくれたが、結局どのバスかはわからなかった。今度はとなりの女性に聞いてみる。すると67番のバスで行けるということがわかった。バスが来たので乗り込む。
町の案内人
ウズベキスタンの通貨の単位はスム。100円は8,162スムになる(2023年10月現在のレート)。日本より桁が2つほど多い感覚。
大きなお金使えるかな…。
空港で少し両替したが、バスでは小銭が必要ではないだろうか。すると隣の席の方が声をかけてきた。きれいな英語だった。降りるときに助けてくれるという。乗車中にこのあたりのことを詳しく教えてくれた。そして「今はフリーの時間なので一緒に歩こう」と言い出した。
うーん、怪しい。
今までの経験上よくないことが起きそうな気がする(笑)
考えた結果お断りすることにした。ところが彼はなかなか引かない。その後もいろんな情報を教えてくれた。
いい人なんかなあ。
初めての国、短いトランスファーの時間…。
うーん、彼にかけてみるか!
彼の名はシャブカット。27歳で空港の職員らしい。どおりで英語が使えるわけだ。奥さんもいて二人でナヴォイというタシュケントから少し離れた町に住んでいるらしい。
彼に案内されてティムールスクエアというバス停で降りた。料金は1200スム。現在のレートだと15円くらいだ。安い(笑)
彼は親切にもおごってくれた。
うーん、嫌な予感しかしない。
最後にどーんと請求されたりしないだろうか。心配をよそに彼は市場のような道を抜け、独立広場へと案内していく。
案内の後、お金を取ったりしない?
勇気を出して聞いてみた。すると彼は「私はそんなことはしない。」と言う。
とりあえず I trust you.(信じるよ) と返した。
彼は「どこに行きたい?」と聞いてくる。だめ元でチョルスーと答えた。市内にチョルスーバザールという大きな市場があるのだ。もし一人ならそこに行くつもりだった。
彼は Ok. We have enough time! と言った。いや、時間はそんなにない(笑)
地下鉄でバザールの方へ向かう。地下鉄も一回1200スムだった。改札の前では荷物検査があった。彼はここでも運賃を払ってくれた。
地下鉄構内は凝ったつくりである。シャンデリアやモスクの中のような天井が見られた。
ウズベキスタンでは軍事施設やトンネル、地下鉄等での写真撮影は禁止されている。海外ではウズベキスタンに限らず、軍事上や宗教上撮影が禁止されている場所が多くあるので注意したい。
3駅ほどでバザールの最寄り駅に着いた。出てすぐが市場だ。
これが本場かというほど、果物や野菜、肉が並んでいる。
Are you hungry?
そう聞かれたので A little bit.(少し) と答えた。すると彼はすぐにフードコートのような場所に連れて行ってくれた。
彼おすすめのプロフというのを食べた。チャーハンのようなご飯の上に肉が乗っている。中央アジアではよく食べられているらしい。味は本当に油っこいチャーハンのようでめっちゃうまい^^
彼はここでも You are guest!(あなたはゲストだから) と言ってご飯代を払ってくれた。もうこのあたりで彼のことは信用できた。
時間がぎりぎりになり再びバスに乗る。間に合わなそうなので、途中からタクシーに乗り換えて空港へ向かった。車内で折り鶴をおり名前を書いて渡すと、とても喜んでくれた。
海外で知らない人にこれだけもてなされたのは初めてだった。信じられない出会いだ。彼とはFacebookを交換して別れた。結局1スムも使わずにタシュケントでの観光を終えた。
飛行機の中で
18:50 タシュケント発ウルゲンチ行きの飛行機に乗る。ウルゲンチはウズベキスタンの西の大都市だ。
ふぅ、間に合ってよかった。あとはホテルでゆっくりするだけ…。
韓国から睡眠不足で今日を迎えている。少しだが眠ろう。そう思った時だった。
Hi!
となりのおじさんが話しかけてきた。「もうええって(笑)」と内心思ったが、一応答える。日本人であることを伝えると、私の顔を珍しそうに見て、日本でのことをたずねてくる。
What do you do?(何の仕事をしている?)
How much money by working?(いくら稼ぐんだ?)
彼は現地の人のようだ。妻と二人の娘がいて、今回は会議でウルゲンチに向かっているらしい。
If you have a time, come to my house?
日本ならありえない展開だ。現地の人の家に行くチャンスはあまりないだろうが、いったん断る。すると彼は「家に行った後ヒヴァまで送る」という。ヒヴァはウルゲンチ近くの町で、歴史的な建造物が多くある場所。今日のホテルはそこにある。
Come, come!
彼は結構しつこい。タクシーをすでにチャーターしていることを言うと、「私がドライバーに伝える」と言った。少し不安だがついていくことにした。
20:20 ウルゲンチ空港に到着。空港を出るとやはり私の名前を書いた紙を掲げるドライバーがいた。彼がドライバーと話し始める。しばらく見ていると、二人はもめ始めた。そのままドライバーの車に乗り込む。すると彼は「あなたが選べ。」と言い出した。
ああ、めんどくさいことになった(笑)
家に行くか、ヒヴァに向かうか…今日はゆっくりしたいな。
結局ホテルがあるヒヴァに向かうことにした。すると彼は
I’ll find you. 明日ヒヴァで私を見つけるらしい。なんやこいつは(笑)
10時がいいと言うので、次の日ホテルの前で会う約束をした。ただ、明日観光しようと思っている施設は9時から開く。
おい、1時間しか観光できんやんけ!(笑)
彼は本当に来るのだろうか。ホテルに無事到着し、眠りについた。
読んでくださりありがとうございました。掃除のとき、日記帳とか見つけたら結構その場で読んでしまうんですよね(笑)おもしろい旅やったのでつらつら書いてみました。いかがでしたか?次回はヒヴァを観光します。お楽しみに!
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