3日目にして徳島に入る。夜の宿に現れたのは…。
キャンプ場で迎える朝
朝か?
周囲が明るい。テントの入り口から入ってくる空気がおいしい。2日こいだだけで疲れていたのか、ペラペラのマットでもぐっすり寝られた。寝袋をくるくると巻く。
あ、そうや!動画とろ!
寝袋を巻く様子を動画におさめる。テントをしまう様子もついでに。実は出発日の前日、彼はYouTubeチャンネルを立ち上げていたのだ。チャンネル名は「おともの自転車旅」。日本一周ではなく自転車旅、そして相変わらずのダサさ(笑)
「こうして動画を撮りためて、3日後にはアップしよう!」そう意気込んだ彼のチャンネルに動画があがることはありませんでした。
小鳥の声ともう一つ心地いい音が聞こえる。波の音だ。キャンプ場の駐車場に向かって歩くと、少し高さのある堤防の向こうに海が広がっていた。
あれ、この海昨日からあったんかな?(笑)
ストレッチをして、ガスバーナーで湯を温める。波の音を聞きながら飲む優雅なコーヒータイムである。こんな毎日が続くかと思うと旅も悪くはない。
時刻は9時。今日は長距離になる。荷物を積みこみ出発。
徳島入り
今日めざすところは海陽町。そこで宿をとっている。距離は約100㎞。夕方には着くやろうか。
昨日と変わらず海沿いの道が続く。少しこいだところですぐに徳島県に入った。
お!トンネルや!
そうか、こういうところも走らなあかんのか。ん?よく見たらなんか書いてる。
うずしおロマンティック海道?
おーこれはなかなかそそられる道。街道ではなく海道。ちょうど体がロマンティックを求めていたところ。しかもトンネルよりは安全オーラがすごい。ということで左へすすむ。
いくつか芸術的なオブジェがある道だった。海ぎりぎりの道を気持ちよく走ることができる。
再び元の道を走っていると何やら構造物が。
古いベルトコンベヤーのような建物。
いつごろ建てられたのか。こういう大きな構造物けっこう好きなんですよね。
吉野川橋を渡って徳島市中心部に入る。
橋の上でおじさんが記念写真。てか誰やねん!(笑)
トンネルを難なくクリアしたところで時刻は11時。おいおい急がんと。
徳島と言えば「阿波踊り」。ということでやってきたのは阿波踊り会館。
2階のホールではほぼ毎日踊りの公演が有料で見られる。今回は公演の時間が合わなかったので、3階のミュージアムを見ることにした。料金は300円。小道具が展示され、阿波おどりの歴史について学ぶことができた。入口の阿波踊りマネキンのみなさん。なかなか勢いがあっていい感じ。混ざりたかったが、受付のおじさんが隣にいて、気まずくなって出てしまった。
時刻は13時30分。さすがに腹が減る。そういえば昨日の野営場で出会った方が有名な徳島ラーメンの店をメッセージで教えてくれていたので、そこに向かう。
到着!食べログの評価もなかなかいいお店。
中華そば(中盛肉入800円)を注文。店の中は広いが、お昼時を過ぎているのもかかわらず、お客さんでいっぱいだった。
豚骨スープに甘辛く煮付けた豚バラ肉。たまらなくうまい。思わずライス(150円)も注文。調べてみるとここ「中華そばいのたに」は徳島ラーメンの火付け役らしい。教えてもらって感謝です^^
さて、徳島で一つミッションがあります。それは
「ご先祖様にあいさつすること。」
実は阿南市というところにご先祖様のお墓がある。ここ数年は来れていなかった。
無事ご挨拶を済ませ、旅の安全をお祈りしたところで、近くに住んでいる親戚にも会った。会うのはかなり久しぶり。「自転車で来た。」と伝えると、目を丸くしていた。コロナでなかなか会えていない親戚がたくさんいるので、これからできる限り会っていきたい。
そうこうしているうちに日が傾いてきた。
もう5時やんけ。あ、充電が…。
スマホの充電がなくなりそう。旅の直前にiPhone7からiPhone12miniにグレードアップしたが、miniは12よりも搭載バッテリーが小さいらしい。今更後悔してももう遅い。他にモバイルバッテリーを2つ持ってきているが、フェリーを出てから充電ができていない。急がないと。
宿での出会い
ようやく本日の宿に到着。時刻はすでに夜の7時だ。
スタッフの方は別の場所にいるようで、電話で部屋の案内をしてくれた。1泊4000円。旅人にとっては決して安くはないが、まだ野宿をする覚悟ができていない。
海が目の前のロケーションにひかれて思わず予約してしまった。今夜はもう一人宿泊客が来るらしい。2階の部屋で少しくつろいでいると、下で車のヘッドライトが動くのがわかった。
あ、きた!
少し緊張。どんな人か。その方は1階に置いてあった自転車に気づいたのか、声をかけてくださった。
日本一周してるの?
そうですね。まあとりあえず四国を回って…。
とても気さくなおじさん。それにしても何をしている方なんやろう。黒い中サイズのバッグがいくつかある。するとおじさんが「よかったら後で私の部屋に来てお話ししませんか?」と誘ってくれた。
は、はい…。
とっさに答えたが、どうしたものか。「こういう誘いは断るな」というデビルと、「あなたは疲れているんだから今日はゆっくり休みましょう」という天使が戦い始めた。カップ麺のスープもろくに混ぜずにしばらく部屋で考える。
まあでもせっかく出会ったし…。
デビルが少しリード。いやこっちが天使なのか。「私の部屋に」と言われた場所は自分の部屋を出てすぐ。つまり部屋は向かい合わせなのである。明日の朝、扉を開けたら向こうも扉を開けて…
「あ、どうも。」「はい、どうもです。」「……」
なんてことになったら気まずいな。ゆっくり腰をあげ、部屋に向かった。時刻は21時である。
部屋に入るといくつかのカメラを手入れされていた。聞くと四国の情報発信をしているメディア関係の方だった。25年以上会社とブログの運営をされていて、今回は徳島、高知を走るDMVという水陸両用バスの取材で来ているそう。
お話の前半は私の旅についてたくさん質問してくださった。後半はご自身のことについて、早稲田大学時代の同期たちのお話、インド旅のお話、今後の取材のお話などなど。
エネルギーあふれる方や!
気がつけば時刻は0時近く。あっという間の3時間だった。人生経験豊富な方の話が聞けて大満足で部屋に戻った。
次の日の朝、先に出られるということで写真を撮らせてもらった。またどこかで会えたらええな。
部屋に戻って荷物の整理をしながら、頭も整理。すごい人やったな。「四国のことを知ってほしい。」その熱意があふれる方やった。荷物を入れ直していると、1枚どうして入れたのかわからない白のTシャツがあった。
ちょっと書いてみるか。
Tシャツに文字と地図を描いてみた。迷いながら、でもはっきりと。
これ後ろにつけてみようかな。
うん、まあ何も書いてないよりはええか。
少し昨日とは違った自転車になりました。
徳島県海陽町までのルート
東かがわ市から阿南市までは走りやすい道のりでした。そこから海陽町までは山道が続きました。
2022年 5月8日 【3日目】
東かがわ市→海陽町
走行距離 122.6km
積算距離 219.1㎞
こんなブログを最後まで読んでくださるなんてありがたいです!
次回もお楽しみに!